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中国からの便り

第214回:いざ「紅色視察」へ!足跡巡りで

内蒙古伊利実業集団の展示館には、国家主席と同社トップのツーショット写真があった(撮影)東洋証券

「今年7月に国家主席が視察にいらっしゃいました」――。パネル展示を前に、IR担当者が誇らしげに語ってくれた。南京(江蘇省)に本社を置く国電南瑞科技(600406)。親会社は中央国有企業の国家電網だ。数カ月ぶりに訪問した本社ビルの中は、以前と比べてやや「紅っぽく」なっていた。愛国精神や国に忠誠を誓う類のスローガンも増えた気がする。

同じような光景は各地で見られる。長春(吉林省)にある中国中車(01766)の車両生産工場には、2015年に訪れた国家主席の写真が控え目に、しかし自慢げに飾ってあった。「心がこもった配慮」という文字も添えられて。フフホト(内モンゴル自治区)の乳業大手、内蒙古伊利実業集団 (600887)の展示館でも国家主席視察時の巨大な写真が見られた。同社トップとのツーショット写真からは不思議な威光すら感じられる。

政府や党の幹部が視察に来れば現場は感激するもの。ましてや国家主席のご来訪となればかなりのプレミアムだ。中国ではその重要性や意義は無限大。「国や党に認められた」ことをアピールしてビジネスが円滑に進むこともある。下世話な言い方だが、「超VIP級の信用手形」とでも例えられよう。

国営テレビの中央電視台(CCTV)の「7時のニュース」。番組内では時々、旬な企業が紹介されている。ここで取り上げられるのも大変光栄なこと。企業側は放送を録画して、本社受付のモニターで延々と流したり、微信(WeChat)の公式アカウントで大々的に紹介したりと、PR素材として十二分に活用している。中国の各産業は様々なプレーヤー(企業)が入り乱れて玉石混交状態。そこで重視されるのは、当然ながら信用と実績だ。国営テレビへの登場は「極上のお墨付き」と言える。営業トークは「先日、CCTVでも紹介されたのですが......」で始めるべし。つかみはOKだ。

冒頭の国電南瑞科技。本社内の展示館は数週間先まで予約で埋まっているという。地方政府や国有企業の幹部陣がツアー形式で訪れ、国家主席と同じルートで視察していくそう。聖地巡礼並みの「足跡巡り」。中国特有の空気に沿った研修旅行と言えばそれまでだが、国家の方針や重点産業を再確認するのも大事だ。

さて、聖地巡礼と言えば、数年前からプチブームになっている「紅色旅游(レッドツーリズム)」。中国共産党の歴史をたどる旅を指す。観光資源は「長征」「抗日戦争」「解放戦争(国共内戦)」などに関連する施設や場所。「抗日」「革命」「烈士」などの名前が付いた観光地がメインだ。目的地としては、北京や上海、西安などの大都市に加え、吉安(江西省)、延安(陝西省)、嘉興(浙江省)などが挙げられる。

"コロナ前"の19年の「紅色旅行者」は14億1000万人。全体(60億600万人)のおよそ4分の1近くに上っていた。直近データは不明だが、「紅い観光地」は各地で盛り上がっている。南昌(江西省)の「南昌八一起義紀念館」、武漢(湖北省)の「辛亥革命武昌起義紀念館」、上海の「四行倉庫抗戦紀念館」などが代表的スポット。満州事変に関連する瀋陽(遼寧省)の「九一八歴史博物館」、日清戦争の激戦を伝える威海(山東省)の「甲午海戦紀念地」などもある。

紅色旅游の概念は04年に打ち出され、第14次五カ年計画(2021~25年)内でも「紅色旅游を推進する」とされている。いわば立派な国策の一つだ。ならば、国や党の幹部訪問地を巡るのは、さしづめ「紅色視察」とでもなろうか。まさか国策にはならないだろうが......。

(東洋証券上海駐在員事務所 奥山 要一郎)

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