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中国からの便り

第197回:猛暑対策は「アイス」一択 高級アイスは刺客扱い?

シンプルなデザインの鍾薛高アイス

「最高気温は40.9度!149年ぶりの観測史上最高タイ記録」――。7月上旬、記録的な猛暑に見舞われた上海。都市封鎖(ロックダウン)明けの市民に訪れたもう一つの過酷な試練だ。「もう2カ月間ほど在宅勤務をしたい。封鎖解除は秋にしてほしかった」とまで愚痴る知人もいる。励ますつもりで「冷房が効いた部屋にずっといるよりは、夏の醍醐味のアイスクリームを楽しんで夏を乗り切れば?」と言ってみたところ、「アイスの"刺客"には気を付けた方がいいよ」と物騒な言葉が返ってきた。これは一体、何を意味するのだろう。

中国のアイスクリーム市場は世界最大で、2021年は1600億元(約3兆2000億円)規模まで膨らんだ。伊利や蒙牛などの地場系老舗ブランドやハーゲンダッツなどの海外高級ブランドが主力だが、近年では「網紅(ワンホン=ネットの人気モノ)」系の新興勢や異業種からの進出が注目されている。

新興ブランドの代表格は「鍾薛高(Chicecream)」。18年に誕生した高級アイスクリームだ。中国風の瓦のデザインや、火で炙っても溶けない商品としてSNS上で話題となり、「アイス界のエルメス」との異名も付いた。平均単価は18元前後(約360円)と、一般的なアイスバーの3倍以上とやや高め。さぞかし美味しいのだろうと思い、定番の「軽ミルク味」を食べてみたのだが......、濃厚なミルク味以外に特徴を感じることができなかった。ブランドとデザイン料が価格に含まれているのだろうか。最近では過剰な添加物を使用しているとの指摘も受け、物議を醸している。何かと話題が多いホットなアイスだ。

アイス業界は参入ハードルが比較的低いとされ、白酒や酢メーカーなども続々と参入している。一番の注目は、白酒最大手の貴州茅台酒だ。蒙牛乳業とタッグを組み、今年5月に「茅台酒アイス」を発売した。定価は50~60元と高価だが、ネット通販サイトではその4倍以上の250元(約5000円)で売られている人気ぶり。53度の茅台酒を最高2%添加した。知人は、「数十元であの伝説の白酒を味わえるなら数時間並んでも買う!」と興奮気味に話す。しかし、「買うのは1回だけ。アイスに50元以上を払うのはバカバカしい」とも言う。一方、茅台は「アイスを活用して白酒離れが目立つ若年層に近づき、潜在顧客を開拓する」とやる気満々だ。

このほか、香醋大手の江蘇恒順酢業も6月に「醤油チーズ味」「香酢味」「黄酒味」の3種類のアイスを発売した。味はともかく、ブランド力を活用してトレンドに敏感な消費者を掴む姿勢は評価できる。

アイス業界では見た目重視で、「故宮の瑞獣」「黄鶴楼」など観光名所を形どったアイスバーが話題を呼んでいる。ご当地アイスと写真を撮ってインスタ映え。観光は二の次なのだろうか。「国潮(グオチャオ)」の波の一環かもしれない。

さて、冒頭の刺客の話。これは、「高級アイスが簡易包装で大衆品に紛れ込んでいる」ことを指す。中国では「高級=豪華・派手」という方程式の下、高級品はこれ見よがしなドヤ顔系のラッピングがされていることが多い。ところが、鍾薛高の包装はシンプルそのもの。店の冷蔵ケースでもそれほど目立たず、高級品と知らずについつい手にする客が多いという。レジで想像の斜め上を行く値段を見てビックリ。それでもメンツがあるので、返品はせずに泣く泣くお会計というオチだ。「無名のアイスに気軽く手を伸ばすのは禁物だ!」と言う者さえいる。猛暑の中、刺客vs.財布という"アイス夏の陣"が今日も繰り広げられている。

(東洋証券上海駐在員事務所 山藤 秋男)

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