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中国株業界天気図

2013年 中国株業界天気図 東洋証券アナリストが選定した中国の主要20産業の見通しを、前年と比較しながら5段階で予想。当該産業の代表的銘柄もピックアップ。 マークの説明 :晴れ 薄日 曇り 小雨 雨

主要銘柄1 主要銘柄2

全体の見通し

東洋証券では、各セクターの担当アナリストの見解をもとに、13年の中国株の業界天気図を作成した。主要20産業について「晴れ」「薄日」「曇り」「小雨」「雨」の5段階で評価し、12年比での変化も記した。

13年業界天気図の特徴として、中国経済の底打ち・回復傾向を反映し、(1)各業種とも上昇、もしくは横這いで悪化する業種がないと予想している点、(2)「雨」や「小雨」の業界がなくなった点が挙げられる。比較的業界全体の見通しが良好な「晴れ」は4業界であった。中国景気減速や習近平を中心とする新指導部発足を受けて公共投資拡大により高成長を目指す方針を打ち出していることからインフラ関連が注目される。特に鉄道インフラ投資の12年後半からの政策転換を反映し「雨」⇒「晴れ」と業況変化率が最も大きいと予想する。不動産は引き締め政策継続のもと自己居住用を中心に市況が回復しており、都市化や所得倍増計画のもと大手開発業者が用地取得を積極化するなど堅調な推移が見込まれ「薄日」⇒「晴れ」を予想。電力需要回復や都市化を背景とした公共事業、またスマートフォンの普及を背景としたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やオンラインゲームなどのインターネット関連も「晴れ」が続く見込み。

「薄日」の評価は9業界。「曇り」⇒「薄日」の業種は、企業業績回復や過剰流動性を背景としたA株市況の改善が寄与する証券や保険など金融セクターや、景気回復やインフラ投資拡大に伴い市況改善が見込まれる紙・パルプ、建材・セメント、中国の3~4級都市を中心に需要旺盛な自動車、医療制度改革が進む医薬でそれぞれ改善が見込まれる。小売は好調な個人消費を背景に「薄日」が続くが、本土は大都市圏での新規出店余地の縮小やEコマースの台頭、香港では1人当たりの消費額の伸び悩みなどを背景に業態別の格差を予想している。

「曇り」では、景気回復に伴う市況改善や過剰流動性を背景に鉄・非鉄や金、銀行業務が鈍化するもバリュエーションの改善が見込まれる銀行が「小雨」⇒「曇り」と好転する見込み。業界再編が進む機械、スマホの普及のなか競争激化の通信、石炭価格低迷のエネルギーは、「曇り」にとどまる見込み。

晴れ 4 不動産、インターネット、公共(電力・ガス・水道)、インフラ
薄日 9 保険、証券、紙・パルプ、建材・セメント、自動車、本土・小売、香港・小売、食品、医薬
曇り 7 銀行、通信、エネルギー(石油・石炭)、鉄・非鉄、金、機械、運輸
小雨 0 なし
雨 0 なし

13年の中国株式市況はマクロ指標の好転や企業業績に回復の兆しがでてきたことから、反転から上昇局面入りする可能性が高い。そのなか、「公共・インフラ投資拡大」、「所得倍増計画」や「都市化」などをキーワードに各セクターの動向に注目が集まる。本稿が銘柄選定・投資判断の一助になれば幸いである。

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