堅調な消費を手掛かりにクリスマスラリーへ
12/9~13の米国株式市場は、上値の重い展開を想定。
米国でハイテク株の買いが目立ち始めた。12/2に発表された11月のISM製造業景況感指数では市場予想を上回り、米景気の底堅さが確認されたことに加え、FRBのウォラー理事が講演で「12月のFOMCで利下げを支持する方向に傾いている」との認識を示したことが材料視されているようだ。
一方で、米国株式は国債と比べた割高感が強まっている。長期金利が4%台で高止まりしており、1株純利益(EPS)でみた株価の割安感を示す指標の株式益利回りは、長期金利を下回っている。FRBによる利下げ継続期待による長期金利低下を先取りした動きと考えられるため、次回FOMC(12/17~18)での政策判断となりうる11月雇用統計(12/6発表予定)や11月CPI(12/11発表予定)等の内容によっては株価が調整する場面もあろう。
もっとも、今後は年末に向けてクリスマスラリーへの期待が強まりそう。マスターカードによると、ブラックフライデーでの自動車を除く小売売上高は前年比で3.4%増となった。消費者はお買い得品やプロモーションを重視しており、eコマースの売上高は同14.6%増だった。消費の堅調さを手掛かりに投資家は年末に向けてリスクを取ってリターンを求める傾向になりやすいとみる。
米投資信託協会(ICI)によると米国のMMFの残高は6.67兆ドル(11/26時点)と過去最高。株価下落局面ではMMFに滞留する資金が株式市場に流入することも期待でき、押し目があれば買い場と捉えたい。
(12/4記 投資情報部 岩井)