決算発表シーズン到来、業績見通しに注目
10/7~11の米国株式市場は、もみ合いの展開を想定。
9/30にパウエルFRB議長が講演し「利下げを急ぐような状態ではない」と述べ、FRBによる追加の大幅利下げ観測が後退した。米債券市場では長期金利が上昇し、3.8%台を付け、株が売られる場面もあった。一方で、経済を支える姿勢は鮮明にしており、先行きへの楽観的な見方が投資家心理を支え、下値では買いが入り、同日NYダウは最高値を更新した。
10/9に9月FOMC議事要旨が公表される。前回FOMCで50bp利下げに決まった詳細や今後の利下げ幅、実施のペース等のヒントを得られると考える。9/18公表の経済見通しによると、今後は緩やかな利下げになると思われるが、大統領選挙に伴う政策変更は織り込まれていないため、特に25年以降の見通しについては幅を広く持つ必要がありそう。
米国でインフレ圧力再燃の懸念が台頭しそうだ。10/1にイランがイスラエルに向けミサイルを発射したと伝わり、中東情勢の緊迫化で原油の供給懸念が高まっている。また、米国の東海岸・メキシコ湾岸の港湾で労使交渉が決裂し、ストライキが始まった。ストが長期化すれば店頭の品薄などに繋がる恐れもあり、徐々に物価上昇圧力が意識されてきそう。
10月は7~9月期の企業決算発表シーズンとなる。LSEG集計(9/27時点)によるS&P500構成企業(除エネルギー)のEPS成長率予想は24年3Qには前年同期比7.3%と伸びの鈍化が予想されているが、4Q以降からは再び2桁増が続くと見られる。景気の鈍化を示す経済指標が目立つ中、企業の業績見通しに注目が集まろう。
(10/2記 投資情報部 岩井)