ソフトランディングへの期待が株価を下支えしよう
8/5~9の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。
米連邦準備理事会(FRB)は7/30~31に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定。物価の抑制だけでなく景気にも配慮した考えを示し、政策スタンスの変化が見てとれる内容だった。パウエルFRB議長が記者会見で「9月の利下げ開始もありうる」と述べたこともあり、金融緩和が米景気を支えるとの期待が高まり、7/31の米国株式市場では好感された買いが入った。
S&P500構成銘柄の内、206社が24年2Qの決算発表を終え、79%の企業が市場の利益予想(LSEG集計、7/26時点)を上回っている。S&P500(除エネルギー、同)の24年2Qの増益率予想は13.1%と、決算発表前(同、7/5時点)の増益率予想10.0%から上方修正が進んでいる。好決算の発表が続く一方、期待値の高い銘柄については、年初からの株価上昇時に大部分が株価に織り込まれていたと思われる。一方、非ハイテク、バリュー株等はそれほど期待値が高くない分、ポジティブサプライズが起きやすいとみる。
7/25に米商務省が発表した4~6月期のGDP(季節調整済)速報値は前期比年率+2.8%と1~3月(同+1.4%)から加速した。金融引締めで減速が予想される中、個人消費等がけん引したようで、米経済は底堅さを残しつつ成長していることが確認できる内容だった。また、26日に発表されたPCEコアデフレーターは前月比が市場予想と一致し、インフレ圧力の和らぎが見て取れる内容だった。米国経済のソフトランディングに期待が高まろう。
(8/1朝記 投資情報部 岩井)