FOMCに向け確りも、通過後は一旦出尽くしか
1/30~2/3の米国株式市場は、週前半はFOMCでの利上げペース鈍化を織込み確りの展開を想定する。ただ後半は一旦出尽くしとなりもみ合いか。
1/19、ブレイナード副議長は1970年代の所得―価格スパイラルと、現在のインフレは異なる可能性があり、大きく雇用を損なわずにインフレの抑制が可能かもしれないと述べた。またFRBが利上げペースの一段の鈍化を考えているとの記事が、WSJのFRB関連で著名な記者から発表されている。市場では利上げペース鈍化は既定路線との見方が広まりつつあり、2/1のFOMCでの0.25%ptへの利上げ幅の鈍化を織り込みに行くだろう。ただ、12月のFOMC議事録を踏まえると、パウエル議長の発言自体は市場の楽観ムードを牽制する内容になる可能性もあり、発表後は一旦出尽くしとなると考える。
米企業決算を見ると、S&P500の構成銘柄のうち72社が決算発表を終え、65%の企業が市場の利益予想を上回った(Refinitiv集計、1/24時点)。市場予想を上回る傾向にはあるが、物足りない印象で、相場の足を引っ張る可能性も。
1/24のマイクロソフト決算は、実績はPC向けが弱いが、クラウドや企業向けソフトウェアが比較的好調な印象。ただ今後はAzureの成長減速を見込んでおり、ビッグテックの決算発表前後に警戒感が浮上しそうだ。また小売売上高の不調から、年末商戦絡みの売上は全般的に苦戦したと予想される。アマゾン等の決算が警戒される可能性も。またテキサスインスツルメンツの決算では自動車向け以外のエンドマーケットが弱いとの発言もあり、半導体も底入れには至っていないと思われる。
(1/25記 投資情報部 藤本)