上値余地を試す展開が継続か
11/14~11/18の米国株式市場は10月CPIの結果から予想ターミナルレート(利上げサイクルの最終到達点)の大幅上昇がなければ、上値余地を探る展開か。ただ中間選挙で予想外に共和党が圧勝しなかった反動が出る銘柄もありそうだ。
11/1~2のFOMCでは12月の利上げペースの鈍化を示唆する文言が盛り込まれた。一方、9月FOMCのドットチャートの示唆するFFレートの水準が引き上げられる可能性を示唆した。ただ既にFFレート先物はFFレートの5%超の金利水準を示唆しており、物価動向次第の面はあるが、12月FOMCでのドットチャートの引上げはある程度織込んでいると考える。また11/7のサンフランシスコ連銀のレポートは9月の実際のFFレートが3~3.25%であった時、資産圧縮やフォワードガイダンスを通じた引締め効果を考慮したプロキシー・ファンド・レートは5.25%に相当したと指摘している。同レポートの内容が考慮されれば、ターミナルレートの引上げは限定的となる可能性もありそうだ。
足もとS&P500の構成銘柄の内、428社が決算を発表し、71%の企業の決算が予想を上回った(11/4時点)。決算は概ね予想を上回っており、相場を下支えしている。エヌビディア(11/16)やアプライドマテリアルズ(11/17)といった半導体関連の決算発表が予定される。前年の反動もあり、中国の半導体輸入量が減少傾向にある中、輸出規制強化が発表されており動向が注目されよう。エヌビディアは輸出規制回避のため、性能を下げた製品の輸出を開始したと報道されており、見通しに注目か。
(11/10朝記 投資情報部 藤本)