神経質な展開の中で、決算発表受け個別物色か
10/17~10/21の米国株式市場は金融引締め懸念や半導体規制等が材料視され神経質な展開か。決算発表が本格化する予定だが、懸念材料を抱える銘柄もあり期待先行にはなりにくいものの、業績発表が順当に進めば下支え要因となろう。
FRBによる金融引締め懸念に加え、日本政府が為替介入のため米国債売却に動いたとの推測も出ており、米国債の需給悪化懸念に起因する金利の高止まりが悪材料視されよう。加えて、中国向けの半導体規制は半導体銘柄の売り材料として意識されそうだ。また、ウクライナ情勢はエスカレートの一途を辿っており、一部では核攻撃も懸念されているようだ。
米国では決算発表が本格化し、10/18にネットフリックス、10/19にラムリサーチ、テスラの決算発表が予定。ネットフリックスは業績底入れや広告付き低価格プラン導入での復調への期待感から、株価も7月半ば以降戻り基調にある。戻りを正当化する決算内容か注目されよう。ラムリサーチは供給過剰気味のメモリー市場と規制強化が進んでいる中国向けの比率が高く、懸念が先行する可能性もありそうだ。テスラは7~9月の世界の出荷台数が市場予想に届かず、物流面の問題とのことだが、一部では中国向け需要が減退したとの観測もある。出荷台数に関する詳細な説明が注目されよう。
一方、S&P500の翌4四半期の予想PERは15.4倍(10/12時点)まで調整し、コロナ前の水準に回帰しており相場の下支え材料か。コロナショック時は14倍台であるため、バリュエーション面からは調整余地は限られると考える。
(10/12記 投資情報部 藤本)