SaaS系ハイテク株の決算に警戒も、底堅い展開を想定
5/31~6/3の米国株式市場は、高バリュエーションのハイテク企業の決算が予定され不安定な値動きを予想。ただ景気後退に陥らない場合、相場全体としては値ごろ感も出てこよう。
日本訪問中、バイデン大統領は、対中関税見直しの可能性に言及。以前からそのような話は出ており、サプライズは少ないと考える。ただ今回のインフレは供給問題に起因する部分が大きく、利上げによる効果は小さいとの分析もある。供給サイドへの対策は、主に需要サイドに働きかける利上げよりも費用対効果が大きい可能性もありそうだ。
JPモルガン・チェースが投資家の日に2022年の純金利収入の見通し(市場除く)を560億ドル超と発表。2021年の445億ドルから25.8%増加する見通し。4Qの年換算は660億ドルと強気な見方が目立った。FFレートのレンジ上限が3%に到達することで、90億ドルの押上げ効果があるとのこと。純金利収入を計上する多くの商業銀行にも類似の効果が期待でき、銀行セクターにとっての買い材料と言えそうだ。
個別ではセールスフォース(5/31)やクラウドストライク(6/2)、オクタ(6/2)等が決算を予定。期待はずれな決算発表後急落するパターンが散見されることや金融引締め継続も予想されることから警戒感が先行しそうだ。
また週末には雇用統計の発表が予定。4月分での予想外の労働参加率低下や大手小売企業の決算で余剰人員に関するコメントが目立ったことから非農業部門雇用者数の動向に気を配りたい。もっとも3月の米求人件数は依然として過去最高水準であるため、労働市場がタイトな状況には変わりはないと見る。
(5/25記 投資情報部 藤本)