下落値幅はある程度出ており、落ち着き処を探る展開か
5/16~5/20の米国株式市場は、米CPIは高止まりしたものの、下落値幅はある程度出た印象があり、押し目を拾う動きも出ると考える。徐々に落ち着き処を探る展開か。
5/3~4のFOMCではパウエルFRB議長は75bpの利上げに対して否定的な見解を示し、次の2回は50bpの利上げとなることを示唆した。これを好感し、米国株は一時急騰するも、翌日以降は一転急反落し神経質な展開が続いている。インフレ率の高止まりやFRB自体が昨年末から今年の前半にかけてタカ派に急旋回したことから、50bpの利上げペースにとどめられるかを疑問視する向きがあることが背景と考える。
5/11発表の4月米CPI(季調済)は前月比0.3%上昇と3月分の同1.2%上昇から減速も、コアは同0.6%上昇と加速し高止まりした印象。住居(季調済)は前月比0.5%上昇で高止まり、中古車・トラック(季調済)は同0.4%下落で下落幅が縮小した。インフレ懸念鎮静化には至らなかったと考える。
ただ若干割高の可能性がある米10年国債の入札が5/11に通過し、30年国債の入札も5/12で通過するため、金利で右往左往する場面も減少すると考える。
5/17に小売売上高を発表予定。3月分はガソリンスタンドの売上高増加分を除くと前月比0.1%増に留まりエネルギー高がエネルギー以外の消費を圧迫したようだ。4月のガソリン価格先物の月平均は前月比で若干下落。状況の改善に期待したい。
(5/12朝記 投資情報部 藤本)