FOMC結果に注目
6/17-6/21の米国株式市場は、重要なイベントを控え方向感を探る展開を想定する。
米国の5月雇用統計の非農業部門雇用者数が市場の予想を下回る内容だったにもかかわらず、株式市場では強気の見方が広がりつつある。メキシコからの全輸入品への関税発動が見送られ、サプライチェーン(供給網)が寸断される事態が回避されたことが好感されたことに加え、FRBの主要メンバーからのハト派的な発言も株式市場にとっては追い風となっている。
6/18-19には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。フェデラルファンド実行レート先物では直近の利下げが示唆され、株式市場はその確率を織り込んで上昇しているとも見て取れる。FOMC終了後、FRBによる景気に対する見方も公表される予定。パウエル議長による会見での発言がマーケットの期待通りの内容となるかにも市場参加者の注目が集まるだろう。
クラウド関連企業の反転に期待
中国製品3000億ドル相当への制裁関税賦課パブリックコメントの提出期限を6/17に控え、中国との貿易摩擦の影響による景況感の悪化懸念は強まっている。トランプ大統領は、今月末の20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせ、習近平国家主席と通商合意に達しなかった場合、中国輸入製品への追加の報復関税を発動する用意があると述べている。それを受けて中国外務省は、「米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、中国政府は断固たる決意で対応する」と表明している。もっとも、米国主要指数は先週からハイテク株を中心に反転しており、6/18発表予定のアドビ(ADBE)の決算内容次第では、クラウド関連企業へ物色の裾野が広がりそうだ。
(6/13記 マーケット支援部 佐藤)