金融緩和観測が下支え材料に
6/10-6/14の米国株式市場は、金融緩和期待を下支え材料として、戻りを試す値動きが予想される。
米中貿易摩擦の激化にメキシコへの追加関税という不確定要素が加わり、5月以降は調整が続いた。5月末のNYダウ終値は24,815ドルと、4月末比で6.68%下落。その流れを引き継いで6月も軟調スタートとなったが、6/4にパウエルFRB議長が講演で利下げの可能性を示唆したことが好感され、同日の米国株は大きく反転。
再来週6/18-19開催予定のFOMCを控え、来週は金融緩和期待が相場を押し上げるだろう。
マクロ面では、物価に絡んで6/12発表予定の5月消費者物価指数、消費動向を占ううえで6/14発表予定の同小売売上高に注目が集まろう。物価はFRBが金融政策の決定材料として重要視する指標の一つでもあり、内容次第では金融緩和期待を助長しそうだ。
長短金利逆転も弱気は禁物か
6/3、米10年国債利回りが2.07%と17年9月以来の水準まで低下(債券価格は上昇)。5月以降、同利回りがFRBの政策金利の誘導目標「FFレート(2.25-2.5%)」を下回る「逆ザヤ」が続いている。世界景気の減速懸念や金融緩和実施への思惑を織り込む格好で債券買いが続いているもよう。
過去も同様の動きが数回あったが、その間米国株は横這いか上値追いが続いた。今回も同様の値動きが期待され、極度な弱気は禁物か。ただ、数カ月先には注意が必要。
外部環境の影響が少ない業種に注目
物色対象として、貿易摩擦が企業業績に与える影響が少ないと思われるクラウド等情報技術関連の動向に注目したい。戻りが続いた場合、ハイテク関連の自律反発にも期待が持てるだろう。6/13はブロードコム(AVGO)が決算発表を予定。
(6/6記 投資調査部 檜和田)