経済統計確認後は強気継続か
3/4-3/8の米国株式市場は、経済統計を睨み高値保合いを想定する。
マクロ面では重要な米経済統計の発表が重なる。3/5は2月ISM非製造業景況指数、3/8は同雇用統計が発表予定。Bloombergによる事前予想中央値は2月ISM非製造業景況指数が57.1(1月は56.7)、非農業部門の雇用者数は前月比18.5万人増(同30.4万人増)、そして失業率が3.8%(同4.0%)、と予測されている。2/26にパウエルFRB議長は議会証言で「賃金は上昇しており、喜ばしいことだと受け止めている」と語り、「辛抱強くなり、状況の展開を見守るには適切な時期」と見解を述べた。
一方、そのような環境下でS&P500のオプション3月限の価格帯別建玉を確認すると、2800ptにまとまったコールの建玉が存在している。来週は同水準を挟んでの攻防が予想される。
米中協議が大詰を迎える中SOXが上昇
2/21-2/24閣僚級の米中貿易協議の結果、米国は中国との貿易交渉が進展したとして追加関税の延期を表明し市場が懸念する貿易の対立激化は一先ず持ち越しとなった。とはいえ決着したわけではなく、米中が最終合意に達する条件として米貿易赤字の圧縮に向けた中国の品目別の輸入拡大、もしくは中国経済政策の基本的な改革のどちらに焦点を当てるかに注目が集まろう。一部報道では中国が米国製の半導体の輸入を5倍に拡大する考えを伝えたとされている。そのようなマーケット環境下において、半導体銘柄で構成されているフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が昨年来の下げから一転、大きく上昇し昨年の最高値を窺う水準になっている。来年選挙を睨んだトランプ政権は対中赤字を減らすこともディールの一つといえよう。主なSOX構成銘柄としては、ブロードコム(AVGO)、インテル(INTC)、テラダイン(TER)、ザイリンクス(XLNX)などが挙げられる。
(2/28記 マーケット支援部 佐藤)