【世界市場の見通し】物色の裾野を広げる日米、中国も堅調相場の仲間入りか
6/26~30の世界市場は、中国が方向感のない展開が見込まれる一方、日米は物色の裾野を広げる展開と見る。
日本株式市場は、東証マザーズ指数が6/16に前日比4.45%の急騰。東証プライム市場の過熱感を冷ましながら東証グロース市場を循環的に物色する流れとなれば、株式市場全体として底堅い展開が今後も期待できよう。また、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)に示された官民連携の投資拡大等が株価上昇の支えになると期待。
6月FOMCでは、根強いインフレを背景に年末の政策金利見通しが上方修正され、2回分の追加利上げが示唆された。もっとも、市場はFRBの強気な利上げ見通しには懐疑的で、利上げはあってもあと1回との見方が優勢のようだ。利上げ終了は近いとの見方から、株式市場への資金流入が期待され、物色の手を広げながら堅調な展開が続くと見込む。
中国景気の下振れ懸念から投資家は景気刺激策を待望していたが、規模が小さく投資家の失望売りを誘った。目先、株価は方向感のない展開とみる。ただ、6月に入りコモディティ価格が上昇し、夏の旅行予約も好調のようで、6/30に発表予定の6月購買担当者景気指数(PMI)は、製造業と非製造業共に改善を予想する。株価の持ち直しに期待したい。
(6/21記 投資情報部)
【日本株投資戦略】マザーズも来た、相場環境は悪くないと見る
6/26~30の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
日経平均は6/12~16の週に1,440円上昇し、週間ベースで今年最大の上げ幅となった。急ピッチな上昇に対する反動から、利食い売りが出やすい場面か。値幅を伴う調整が入る可能性もあろうが、そこは押し目買いの好機と捉えたい。
東証マザーズ指数は6/16に前日比4.45%急騰し今年最大の上昇率となり、足もとは約1年5カ月ぶりの高値圏にある。約33年ぶりの高値圏にある日経平均やTOPIXに比べ、東証マザーズ指数には上値余地のようなものが感じられる状況か。東証プライム市場の過熱感を冷ましながら東証グロース市場を循環的に物色する流れとなれば、株式市場全体として底堅い展開が今後も期待できよう。
なお、6/26以降のIPOは東証グロース市場を中心に20社(6/21時点)の予定で、IPO銘柄への注目度が高まり人気化すれば、資金が東証グロースの既存銘柄に向かうことも予想され、好循環も見込まれよう。活況に弾みをつける手掛かりになることを期待したい。
政府は6/16、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)を閣議決定。「新しい資本主義」の実現に向けた構造的賃上げの実現や人への投資、分厚い中間層の形成に向けた取組や、GX・DX、スタートアップ推進や新たな産業構造への転換など、官と民が連携した投資の拡大と経済社会改革の実行に向けた基本方針等が示された。折にふれて話題になる場面がありそうだ。
(6/21記 投資情報部 大塚)