<2023年の日経平均予想レンジ> 25,000~32,000円
・本格的な経済再開と政府の経済対策発動でボックス相場からの上放れを想定
・秋口には米国株式に追随する形での上昇を見込む
・東証再開以来の卯年相場で日経平均は4勝2敗と好調、辰年に向けポジションを積み上げたい
2023年の日本株式市場で、日経平均は本格的な経済再開と政府の経済対策発動を前提に、ボックス相場からの上放れを想定。予想レンジは25,000~32,000円程度。
目先は世界経済の減速を織り込む必要がありそうで、上値の重さが感じられる場面もあろう。もっとも、2023年の日本の実質GDP成長率は先進国の中では高い予想(IMF予想)となっており、欧米との比較で相対的な景気の底堅さが評価されることになろう。加えて、為替の円高基調や原油価格の下落等によるコスト減少が株価の支援材料となりそうだ。秋口には米国で景気減速を背景に金融引締めが終了し、利下げが期待されるような状況となり、米国株式に追随する形での上昇を見込む。
黒田日銀総裁の任期が23年4月8日までということもあり、金融政策の修正は新総裁のもとでと思われたが、日銀は12/19~20まで開催した金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅の拡大を決定した。
唐突感は否めないが、物価基調の高まりを背景に低金利政策の弊害を見直す動きと考えられ、過度な悲観は禁物か。
来期(2024年3月期)の企業業績に関しては、為替や米景気、中国経済の動向など不透明要因があり、今期(2023年3月期)に比べ増益率が鈍化すると予想する。よって、例年以上に銘柄選別が重要になろう。
2023年は卯年。もう少し詳しく言うと「癸卯(みずのとう)」となる。これまでの努力が結実し、勢いよく成長し飛躍するさまを表すようだ。干支にちなんだ相場格言では「卯跳ねる」となり、こちらも活発な印象。
戦後の東証再開以来の卯年相場は過去6回あるが、日経平均は4勝2敗。年間騰落率の平均は16.35%で、好調なパフォーマンといえよう。
1951年は朝鮮戦争特需で6割高、1999年はITバブルで3割高に。辰年に向けてポジションを積み上げるタイミングと見る。
(12/21記 投資情報部 大塚)