【世界市場の見通し】オミクロン株で世界市場は波乱含みの展開か
12/6~12/10の世界市場は波乱含みの展開か。
日本株市場は波乱想定も押し目は買いと考える。ワクチンの効果の分析には2週間から数週間かかる見通し。オミクロン株に特化したワクチンの出荷に数カ月かかる見通しだが、日経平均は11/26~30の3営業日で1,677円下落。売られすぎの印象。12/10にSQが予定され、先物主導で乱降下する可能性やIPO控え換金売りが出る可能性もあるが、緩和的な金融政策と政府の経済対策が相場を下支えするものと考える。
米国株市場は神経質な展開か。オミクロン株出現でリスク回避姿勢が強まる中でもパウエル議長はインフレ対策を重視する姿勢を示している。11月のCPIは高止まりが予想されるが、原油備蓄放出とコロナのニュースで原油市場が調整しており、12月以降のCPIは多少低下の可能性もありそうだ。また製薬会社のワクチンの効果に対する見解が分かれており、ワクチンを巡る報道で一喜一憂することになりそうだ。
中国株市場は本土株が方向感のない展開、香港株は欧米投資家が政策リスクを懸念していることから軟調な展開を想定。11月開催の六中総会以降も滴滴ADR(DIDI)の米国上場廃止要求やマカオのカジノ関連会社CEO逮捕など締付けが強化され、海外投資家が二の足を踏む要因か。ネット企業の株主動向を見ても一部の欧米大手運用会社の売却が目につく。ただ、政府が来年の成長目標を+5%台半ばに設定すれば、投資家に安心感が広がろう。
(12/1記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】波乱想定も押し目は買いと考える
12/6~12/10の日本株式市場は、落ち着きどころを探る展開を想定する。南アフリカで新型コロナの新たな変異株(オミクロン株)が検出されたとの報道から、投資家のリスク回避ムードが強まった。日経平均は11/26~11/30までの3営業日で1,677円安し大幅下落。オミクロン株の感染力や感染者の重症度などを分析するには2週間程度かかるもようで、目先は波乱する場面もありそうだ。
もっとも、デルタ株の流行を経験し、オミクロン株に対応するワクチンが必要となる場合も100日以内に出荷できるとの一部報道もあっただけに、売られ過ぎの印象が強い。
今後の展開に不透明感は残るが、政策対応による先行きに対する改善期待は維持されていると考える。これまで新型コロナで売られる場面は何度かあったと思われるが、その後切り返す動きとなっている。過度に悲観する必要はないだろう。
緩和的な金融政策、強化された財政政策、感染対策が景気を下支えしていると思われる現状、押し目は買いで臨むべきと考える。
12/10は12月限先物と同オプションのメジャーSQが控えている。12/9が最終売買日となるため、週後半は先物主導で乱高下する場面もありそうで、留意したい。
12/10~12/29に新規上場(IPO)を予定する企業は32社(12/1時点)。特に12/20~12/24の週は、25社が上場予定となっており集中する。今後、IPOに備えた換金売りが出る可能性もあることから、新興市場の動向には注意が必要か。
(12/1記 投資調査部 大塚)