【世界市場の見通し】世界市場はまちまちの展開か
11/15~11/19の世界市場はまちまちの展開か。日本株はもみ合いだが、米中は比較的確りとした相場展開を想定。
日本株市場は、もみ合いの展開を想定する。国内では決算発表がほぼ一巡したことから手掛かりとなる材料に欠ける状況になりそうで、外部環境の変化等に影響を受ける場面もありそうだ。不安材料も多いが、堅調推移となっている米国株市場の動向が、日本株の出遅れ感を意識させ、投資家の買い意欲を強めることになろう。
米国株市場は引き続き好調な企業業績を背景にじり高か。FRBがテーパリングを発表したが、好調な雇用、年末株高傾向、FRBの資産規模が来年半ばまで拡大する可能性が高いこと等を踏まえれば、現時点での影響は限定的か。またラッセル2000も3月の年初来高値を抜いてきており、小型株にも物色が広がってきている。また11/17にはエヌビディアの決算発表が予定されている。ショートスクイズ気味の値動きとなっており、決算発表後の動向には注意が必要か。
中国株市場は反転に期待。11/8~11/11の「6中総会」では「歴史決議」が採決される見通し。習近平総書記の権力基盤が強化され、「共同富裕」実現や権力闘争絡みの唐突な規制強化への懸念の緩和が期待される。また教育関連では一部営利事業を可能にする免許を発行する計画。11/18のアリババの決算が規制強化一巡を示唆するようなものであれば、株価上昇のきっかけとなりそうだ。
(11/10記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】不安材料多いが過度に懸念する必要はないだろう
11/15~11/19の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定する。国内では決算発表がほぼ一巡したことから手掛かりとなる材料に欠ける状況になりそうで、外部環境の変化等に影響を受ける場面もありそうだ。
足もと、供給網の混乱、資源価格高騰に伴うインフレ懸念、米FRBの金融政策の変更、中国の不動産問題など、不安材料は多い。もっとも、これらの事柄が本当に懸念される状況であれば、直近まで米主要株価指数が揃って高値を更新することはないと思われ、過度に懸念する必要はないだろう。堅調推移となっている米株式市場の動向が、日本株の出遅れ感を意識させ、投資家の買い意欲を強めることになろう。
一部報道によれば11/19ごろに経済対策が取りまとめられる見込みで、その内容は11/8の「新しい資本主義実現会議」の緊急提言に沿ったものになると思われる。
東証マザーズといった新興株式市場に、年末にかけ新規上場(IPO)を予定する企業が増えている。11/18~12/16に、9社が上場する予定(11/10時点、10p参照)となっている。
11/15に内閣府から2021年7~9月期のGDP(速報値)が発表される予定。事前予想(QUICKの予測中央値、11/9時点)は実質GDPベースで前期比年率0.8%減となっている。夏場の新型コロナ感染拡大で個人消費が不振だったとみられることや、半導体不足等による自動車の輸出の落ち込み等がその要因か。予想に沿った数値となれば、1~3月期以来2四半期ぶりのマイナス成長となる。
(11/10記 投資調査部 大塚)