【世界市場の見通し】良好な環境を背景に値固めの展開を想定
9/7-9/11の世界市場は、緩和的な金融環境と経済の着実な回復を背景に値固めの展開を想定。
米国株は高バリュエーションへの警戒感はあるが、セールスフォースやズームビデオ等の好調な決算を背景に在宅ワーク関連のSaaS企業を物色する動きが見られた。FRBの金融政策の方針変更以降、実質金利*(1)は-1%台定着を目指す動きが見られ、株式市場は戻りを試す展開を想定する。
日本においては、自民党総裁選の日程が決定。9/14に投開票となる。報道等によれば、党内最大派閥の細田派と第2派閥の麻生派が菅官房長官を支持すると伝わっており、波乱はなさそう。積極的な財政・金融政策に変化はないと思われ、日本株には好材料と言えよう。
中国株は、7月後半に営業再開した映画館の8月の収入は既に昨年11月の水準に迫る等、速いペースでの消費回復が窺える。9/9-10/8は消費促進月を予定しており、そのペースが加速することも考えられる。中国以外の市場で波乱含みの展開になったとしても、中国市場は下げ渋ろう。
*(1):実質金利は米10年物価連動債利回り
(9/4朝記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】米著名投資家が日本の商社株を5%超保有
9/7-9/11の日本株式市場は、外部環境を睨みながら、落ち着きどころを探る展開となりそうだ。次期首相の政権運営や海外投資家の動向など不透明な部分はあろうが、コロナ禍では次期政権においても景気に配慮した政策を維持していく可能性が高いと思われる。過度な懸念は必要ないだろう。なお、9/11(金)にはオプション・先物のSQ(いわゆるメジャーSQ)が控えており、週後半にかけては先物主導で思惑的な売買が入る可能性もありそうで、注意が必要だろう。波乱するようであれば、押し目は買いで対応したい。
世界的な著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイが、子会社を通じて伊藤忠など日本の商社株の発行済み株式数の5%超を取得したことが8/31に判明。史上最高値圏にある米国株に比べ、日本株は割安と判断したのではないか。グロース株に対し出遅れていたバリュー株の水準訂正が指数を押し上げる流れになるかに注目したい。
(9/3記 投資調査部 大塚)