先を見据えた投資を考える時
3/2-3/6の日本株式市場は、神経質な展開を想定する。
新型肺炎の感染がアジアから欧州や中東へと拡大したことで、世界景気の先行きに対する不透明感が強まり、投資家心理が悪化しているもよう。外部環境をにらみながらの相場が継続しそうだ。ヘッジファンドなど短期筋による投機的な先物売買で乱高下する場面も予想されるが、中長期スタンスで優良株に投資する投資家にとっては、よい買い場と言えよう。
世界的に新型肺炎の感染者が広がったことで、リスクオフムードが強まっているようだ。現状、感染拡大が景気や企業業績にマイナスの影響を与えることを回避することは困難と思われるが、いずれ収束する問題であることを前提とすれば、景気や業績の減速は一時的な現象といえよう。需要や生産設備が消滅した訳ではなく、事態が落ち着きを見せ始めれば、ペントアップ・デマンド(繰越需要)や挽回生産が顕在化すると考える。先を見据えた投資を考える時期か。騰落レシオ(東証1部、25日移動平均)は2/27に59.36%と、約4年ぶりの水準まで低下した。
一部報道によれば、中国においてトヨタは2/24、すべての完成車工場で生産を再開したもよう。停止前の半分程度ということのようだが、好材料か。中国の生産活動の持ち直しに期待したい。
日本政府は2/13、新型肺炎感染拡大阻止に向け総額153億円の緊急対策第1弾を決定している。今後も、事態の状況変化を見極めながら、国内感染対策、水際対策、観光業への対策等、緊急度に応じて、順次施策を講じていく方針。
G20、さらなる行動をとる用意があると
20カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)は2/23、声明を採択し終了。新型肺炎の最近の流行を含む、グローバルなリスク監視を強化するとした。また、これらのリスクに対処するためのさらなる行動をとる用意があるとも記している。
財政政策に関しては、「機動的に実施し、成長に配慮したものとすべきである」とされた。各国が財政出動など利用可能な手段を実行することで景気を下支えすると見込まれる。今後の動向が注目されよう。
(2/27記 マーケット支援部 大塚)