<2020年の日経平均予想レンジ> 22,000~28,000円程度
・不確実性の低下に伴い、景気回復を先取りする展開を想定
・米中通商問題に対する懸念は、段階的な合意を経ることによって徐々に解消する方向に
・戦後の東証再開以来の子年相場で日経平均は3勝2敗、年間騰落率の平均は+23.79%
2020年の日本株式市場で、日経平均は世界的な景気の持ち直し期待を背景に、上昇トレンド継続を予想。予想レンジは22,000~28,000円程度を想定する。
米中通商問題に対する懸念は、段階的な合意を経ることによって徐々に解消する方向に向かうと考える。不確実性の低下は世界経済にポジティブ材料と思われ、日本の製造業を中心とした企業業績回復への期待にも繋がることになるだろう。景気回復を先取りする展開か。
堅調な米経済と中国当局の積極的な景気刺激策、日本政府による大型経済対策の効果にも注目したい。加えて、日米欧の金融政策は緩和的と思われ、過剰流動性が維持されることも株式には好材料になるだろう。
2020年は7/24-8/9に東京オリンピック、8/25-9/6に東京パラリンピックが開催予定である他、次世代通信規格「5G」の提供開始が春頃予定されている。外需の持ち直しに加え、インバウンド需要の伸びや設備投資の拡大を背景に、企業業績の改善が期待されよう。
足もと、日経平均の予想PER(QUICK予想)は14.43倍(12/18現在)。2019年は10月末まで概ね11-12倍台で推移していたことから、高いとの指摘もあるようだ。もっとも、株価は予想や期待を織り込みながら形成されると考えられることから、その水準に違和感はないだろう。2021年3月期業績の織り込みが始まったと言えよう。
2020年は子年。子は十二支の先頭にあり、物事の始まりを意味するようだ。干支にちなんだ相場格言では「子繁栄」となる。戦後の東証再開以来の子年相場は過去5回あり、日経平均は3勝2敗。年間騰落率の平均は+23.79%で、十二支中2位の好パフォーマンス。もっとも、年によって激しく変動する印象も。翌年の丑年の平均騰落率がやや軟調であることから、銘柄によっては売りも考慮する必要がありそうだ。
(12/19記 マーケット支援部 大塚)