局面変化の兆しか
7/29-8/2の日本株式市場は、徐々に上値を切り上げる展開を想定する。本来ならば決算発表が本格化するなかで、決算内容にもとづいた個別の選別物色が優勢となる時期だが、変化の兆しが出ていると考える。
米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、オランダ半導体製造装置大手ASMLや台湾の半導体受託生産の世界最大手TSMCらの半導体市況の見通し等を背景に、過去最高値を更新した。
こうした流れを受け日本株にも明るい兆しが見えているように思われる。半導体関連株が戻りを試しており、その流れが電子部品株や電機株といったハイテク株に波及しそうに感じられる。加えて、時価総額が日本最大のトヨタ自動車は決算を前に年初来高値を更新している。
この背景には、これまで日本株を売り越していた海外勢が日本株の「持たざるリスク」を意識し、ポートフォリオの再構築を図っているとも、考えられよう。
日経平均が節目の22,000円台を試す場面もありそうだ。
緩和的な環境は継続へ
世界的な金融緩和気運は市場の追い風となるだろう。月末の米FOMCでは利下げがほぼ確実視されている他、ECBは9月にも利下げに踏み切ると見られている。
一方で、日本では7/29-30に日銀の金融政策決定会合を控える。今回はECB理事会とFOMCに挟まれ、日銀にとっては難しい状況と思われる。ただ、黒田日銀総裁は、7/22のIMFの講演で「緩和的な金融環境を維持していく」旨を示している。少なくとも現状の緩和的な環境は維持されるのだろう。
一般的には低金利環境は株式市場にとってはプラス要因となろう。
相対的に出遅れている日本株への投資環境は着々と良好なものになってきていると考える。
(7/25記 マーケット支援部 山本)