東証から異例の要請を受けた市場の反応
3/31、東京証券取引所(東証)はプライム市場とスタンダード市場の全上場企業に対し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を求める異例の要請を行った。
その内容とは、十分な現状分析や検討をした上で、自社の資本収益性や市場評価に関する分析・評価、改善に向けた方針、具体的な目標や取組み等を投資家にわかりやすい形で毎年(年1回以上)開示することを「できるだけ速やかに」開始するように求めるもの。
東証は具体的な目標を示す指標の例として、PBRやROE等を挙げている。特にPBRについて、PBR1倍割れは、資本コストを上回る資本収益性を達成できていない、あるいは、成長性が投資者から十分に評価されていないことが示唆される1つの目安と考えられると指摘。
市場では異例の要請を受けてか、TOPIX等の構成銘柄でPBR等の指標から相対的にバリュー(割安)とされる銘柄で構成されるTOPIXバリュー指数は上昇。6/6には2406.75ptと最高値を付けた。
JPXプライム150指数
東証は、5/26に企業の価値創造に着目した新指数「JPXプライム150指数」の構成銘柄及び、算出要領を公表した。
東証プライム市場上場の時価総額上位銘柄を対象に、財務実績に基づく「資本収益性」と将来情報や非財務情報も織り込まれた「市場評価」という、価値創造を測る二つの観点から選定した銘柄を「価値創造が推定される我が国を代表する企業」と位置付ける。
JPXプライム150指数は7/3にリアルタイム算出開始。足もと日経平均株価は33年ぶりの高値圏で推移しているが、同指数は日本株式市場への更なる追い風になるか注目したい。
(投資情報部 佐藤)