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今週の特集記事スポーツへの熱が経済を熱くする

運動は多くの人の習慣に

成人のスポーツ実施率の推移

健康づくりのための運動量の目安として、18~64歳の方は息が弾み、汗をかく程度の運動を週合計60分続けることとされている。テレワークの普及や、普段電車や車で移動している等様々な理由で運動ができていない方は多いと思われるが、スポーツ庁の令和3年度「スポーツ実施状況等に関する世論調査」を見てみると、「週1回以上スポーツをしている成人」は増えていることがわかった。

同調査は毎年スポーツ庁が、全国18~79歳の男女220万人にWebアンケートを実施し、うち人口動態に合わせた比率で20,000件の標本を回収し、調査結果を公表している。令和3年度の調査結果によると、「週1回以上スポーツをしている成人」は56.4%。令和2年度の59.9%から低下したが、平成3年度の「体力・スポーツに関する世論調査」(概ね3年毎に個別面接聴取実施、標本数3,000人)における同様な調査結果の27.8%と比べると、30年で倍以上の割合の方が運動を習慣にしてきているようだ。

スポーツ庁の第2期スポーツ基本計画では「成人のスポーツ実施率を週1回以上が65%程度」としており、今後もスポーツを促進する施策が期待されることから、まだまだ拡大余地はありそうだ。

スポーツの経済への波及効果

足もとアシックス(7936)の業績が堅調だ。22.12期はランニングシューズ等のパフォーマンスランニング事業が2桁成長する等により、通期の売上高・営業利益は過去最高を更新。23.12期も好調を維持し、23.12期通期の売上高・営業利益も過去最高を更新見通しだ。

スポーツを「行う」だけではなく、「観る」ことによる経済の波及効果も大きい。

3月には野球の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」、9月にはフランスで「ラグビー・ワールドカップ」が開催される。大きなスポーツイベントの度に話題に上る経済効果だが、昨年の「サッカー・カタール・ワールドカップ」においても、国内の経済効果(163億円との試算も)が報道されるなど、海外で開催されるスポーツイベントでも国内経済に恩恵があり、今年も注目されそうだ。

2/20に移転した弊社の広島支店に程近い中央公園広場に、広島市を拠点とするJリーグクラブのサンフレッチェ広島の新ホームスタジアムが2024年開業に向けて建設中である。広島市街地に位置し、飲食店やサービス施設の併設も予定している。

広島市による同スタジアム建設事業による経済効果は開業後20年間で合計約6760億円とされている。同じ広島を拠点にする広島カープのスタジアム移転後のチーム、地域経済の盛り上がりを思い起こすと、来年の移転後の反響は期待できよう。

人々のスポーツへの熱が経済を熱くする。スポーツの益々の発展に期待せざるを得ない。

主な関連銘柄(銘柄略称)

主な関連銘柄として、日本株ではアシックス(7936)、ミズノ(8022)、米国株ではナイキ(NKE)、中国株では安踏体育用品(02020)、李寧(02331)等が挙げられよう。

(投資情報部 佐藤)

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