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今週の特集記事冬場に稼ぐ銘柄は?季節性から見る中国企業

年末と春節需要がポイント

中国企業の売上高は季節によって左右することが少なくない。特に年末や春節(旧正月)を控えるこの時期は消費関連株などの収益が伸びる傾向にある。シーズンストックとして「冬場に稼ぐ銘柄」をまとめてみる。

白酒は宴会シーズンが書き入れ時

まずは白酒。大手の宜賓五糧液の四半期別売上高は、例年1〜3月期と10〜12月期に増える傾向にある。この2四半期で通年売上高の概ね6割以上を計上している。理由は単純で、年末年始及び春節などの宴会や家族団らんのシーズンに白酒需要が増えるからだ。同業他社も同じような売上推移となっている。

洽洽食品(チャチャフーズ)も典型的な冬場に稼ぐ企業。同社の看板商品はおつまみの定番「ひまわりの種」だが、家族で集まった時などに多く食べられるようだ。10〜12月期の売上高が通年の3割以上に上ることが多い。また、他の食品メーカーも贈答需要などを受けてこの時期に売り上げを伸ばすことがある。

同じ「食」関係では、フードデリバリー大手の美団も年末にかけて売り上げを伸ばす傾向にある。寒い冬場は外出を控えて出前に頼る"ものぐさ族"が増えることが背景にあるのだろう。

主な企業の四半期別売上高比率(対通年)

ネット通販や電子OEMも季節を意識

さて、京東集団やアリババ集団などネット通販各社も10〜12月期の売上高が多い。これは11/11の「双11(ダブルイレブン)」や12/12の「双12」などのセールが集中している影響だ。いずれも同四半期で年間売上の3割前後をあげている。同じ理由で宅配最大手の順豊控股の売り上げもこの時期に拡大することが多い。「通販絡みは年末が書き入れ時」ということを覚えておきたい。

立訊精密工業(ラックスシェア)や歌爾(ゴーテック)などのOEMメーカーも年末にかけて繁忙期を迎える。各メーカーは例年、秋口に新製品を発表し、クリスマス商戦に向けて販売を拡大するが、この業界ならではのサイクルが売り上げを押し上げていると言える。

興味深いのは国電南瑞科技。中国全体の送配電投資が年後半に加速するのに合わせて業績も右肩上がりになる。2019年と20年において10〜12月期の売上高はいずれも通年の47%に上った。年間売上高の半分近くが集中する珍しい企業だ。

(上海駐在員事務所 奥山)

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