日本的な「ガラパゴス」
日本株式市場における特異な例の1つとして、「親子上場」が挙げられる。これは、親会社と(支配株主を有する)子会社が双方ともに株式市場に上場している状態を指し、海外ではあまり例のない、日本で比較的多いモノとされている。
親子上場に関する国内の動き
親子上場の未来とは?
敢えて親子上場戦略を採用する背景には、人材採用や資金調達に絡む経営戦略の一環としてのニュアンスがありそうだ。前者に関しては、上場会社の方が相対的にネームバリューが高い為、特に新卒採用の時点で採用活動を有利に進められるだろう。後者に関しては、支配権を維持したまま戦略的投資に要する資金を有利に調達できることが考えられる。
もっとも、親子上場には利益相反等、一般株主或いは少数株主が不利益を被りかねないという問題点が内包されている。海外投資家が重視するコーポレートガバナンスに関する問題だ。日本国内のみならず、企業統治のあり方には今まで以上に厳しい視線が注がれている。諸事情に鑑みれば、親子上場はいずれは完全に解消され得るというのが、最も現実的なシナリオなのかもしれない。
(マーケット支援部 山本)