交通情報連携へ
8/4、一部報道で、自動運転車を周囲の交通情報と連携させる研究開発が本格始動する旨が伝わった。信号機の切り替えや高速道路の合流地点といった様々な交通情報をクルマに配信するという。10月に予定される首都圏の一般道や高速道路での大規模実証実験に向けて、安全でスムーズな完全自動運転の実現を支援する。
自動運転の「レベル」
自動運転は以前より何度も話題になっているが、足もとで身の回りに存在感を感じることはほぼ無いと言っても過言ではなかろう。なぜか。背景には、「レベル」がありそうだ。
自動運転には、6つのレベルがあるとされる。現状市販化されているのはレベル2まで。主体がヒトからシステムに変わるレベル3は技術的には達成の目処が立っているとされ、政府が2020年代前半に、次のレベル4は概ね2025年に実用化を目標としている。ただ、完全自動運転とも言えるレベル5に関しては、技術的課題や法制度の問題があり、政府は達成時期を設定していない。
もっとも、レベル5の実現に向けては、世界中の企業等が量子コンピューターをはじめ様々な技術を駆使して開発している最中であり、全くの夢物語ではないだろう。
「自動運転」という呼び名は古い?
さて、一時に比べて話題になることが少なくなったように思える自動運転だが、実は名を変えて注目を浴び続けている。「MaaS」と名を変えて。
日本におけるMaaS普及の具体策としてはスマートフォンアプリによる配車・決済や5G等、様々なキーワードが挙げられているが、そのなかには自動運転も、中核要素として含まれているようだ。確かに、MaaSは決済や予約、観光、交通等に係る様々な情報が紐付けられるものであり、今回の連携に係る研究開発はレベル4以上を目指すのと同時にMaaSの本格的な普及に向けて一石を投じていると解釈できよう。
世界的には着々とほぼ無人のシャトルバスや施設内を走るクルマ、自動運転タクシー、配送ロボット、長距離自動運転トラック等に関する実験が行われている。もしかしたら完全自動運転の完成は、MaaSの最大のマイルストーンと見るべきかもしれない。
主な関連銘柄(銘柄略称)
主な関連銘柄としては、日本株ではDMP(3652)、パーク24(4666)、三菱電(6503)、日信号(6741)、京三製(6742)、ゼンリン(9474)、米国株ではバイドゥADR(BIDU)などが挙げられよう。
(マーケット支援部 山本)