遂にメディア界の巨人、ディズニーが参入
4/11、メディア王とも言われるマードック氏の多くの資産をポートフォリオに組入れたメディア界の巨人ウォルトディズニーが新たな動画配信サービスへの参入を発表した。
その名も「Disney+」。米国で今年11/12より開始予定であり、Disney、Pixar、Marvel、Star Wars、National Geographic等の同社の看板的位置付けブランドのコンテンツがテレビやモバイル機器で楽しめるようになるとのこと。料金も月額6.99ドルと、動画配信サービスの先駆者ネットフリックスの料金(最も人気なプランで13ドル、最安プランで9ドル)を下回るものである。以前からウォルトディズニーが動画の新サービス参入に向けた準備をしているとの観測はあったが、それがようやく現実に確認できた格好だ。
既に動画配信サービスは乱戦の様相?
動画配信サービスを巡っては、米大手IT企業を中心に、熾烈な争いが既に始まりつつあるように思える。
主だったところを言えば、アマゾンドットコムは有料会員サービスAmazon Primeの一環として、映画やオリジナルドラマを配信している他、グーグルがGoogle Playで同様に配信し、アップルは今後Apple TV+で動画配信を行う。スポーツ中継に特化したDAZNのような特定の分野に特化したものもある。
日本でも、動画配信サービスを巡る争いは激化しつつある。NTTドコモのdTVやカドカワのニコニコ、サイバーエージェントのAbema TVと、多くのサービスが打ち出されている。NHKによる番組配信サービスであるNHKオンデマンドといったように、既存の放送局等も巻き返しを図り、乱戦に拍車がかかっている様な印象を受けるといっても言い過ぎではないだろう。
勝敗の鍵を握るのは?
もはや某有名映画のタイトルになぞらえて「ストリーミング・ウォーズ」と表現してもよいくらいにプレイヤーが林立し競争が激化しつつある動画配信のマーケットだが、この勝敗を占う上で参考になりそうなのが、コンテンツだ。
2017年8月には、ディズニーがネットフリックスへの映画販売契約を終了する旨が伝わった。するとその報道を受けネットフリックス株が下落したり、後者に対して厳しい見解が出されるといったようなことが起こった。ディズニーの持つコンテンツには世界的に有名なものが多いことに加え、多様な年代層をカバーしうると考えられることが背景としてあろう。
もっとも、オリジナル作品を拡充させて魅力を確保するという動きもあり、一概に断ずることは難しい。とはいえ、コンテンツの質が今後の戦いの勝敗を占う重要な要素となりそうだ。
主な関連銘柄(銘柄略称)
主な関連銘柄としては、日本株では、サイバーエージ(4751)、NTTドコモ(9437)、カドカワ(9468)、米国株ではアマゾン(AMZN)、ディズニー(DIS)などが挙げられよう。
(マーケット支援部山本)