12/11~15の中国株式市場は、値ごろ感からの押し目買いや根強い政策期待などが意識され、底堅い展開を想定。
12/12~13開催予定の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利を3会合連続で据え置く公算が大きい。投資家は、同時に発表される経済見通しとFOMC参加者の金利予測(ドットチャート)を手掛かりに、来年の利下げ開始時期を探ると見られる。米長期金利の低下、ドル安(=人民元高)の進展が続けば、相場の支援材料となろう。
中国の11月主要経済指標は12/15に発表される予定。来年の経済政策方針を決める中国共産党の中央政治局会議と中央経済工作会議の開催も近づいているとみられ、内容を見極めたいと積極的な売買は控えられそうだ。中国政府は景気安定化に向けて経済対策を強化するとの見方が根強いため、下落場面では政策期待から下値を拾う動きもあろう。
需給面では、海外投資家の売り圧力にさらされている。ノースバウンド(香港⇒中国本土)経由の売り越し額は11月に18億元まで大きく縮小したが、12月に入ってから再び売りが拡大している模様(3営業日で計140億元の売り越し)。サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の中国マネーの買い越しが続いているため、海外勢の売りが香港株を押し下げた主因と見られる。海外投資家の売買動向には要注意であろう。
(12/6記 東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
【紹介銘柄】
六福集団(国際)(ルックフック・ホールディングス(インターナショナル))(香港・00590/Z4185)
◆金、プラチナ、ダイヤモンドなどの買い付け、デザイン、卸売、小売を手がける。中国本土/香港等で店舗を展開
◆24年上期(4~9月)は前年同期比34.3%増収。純利益は同43.3%増の9億HKDと過去2番目に高い水準。粗利益率は同1.7%pt上昇の27.8%
◆旅客数の増加で、香港とマカオ店舗による上期の売上高は前年同期比各々57.4%増、142.3%増と好調。中国本土では、4~9月の小売りオンライン販売額は9.6%増の中、同社のeコマース販売額は33.1%拡大し、24年通期10%増の目標を上回った。在庫回転日数は22年同期の390日⇒318日に改善。金価格も上昇基調で、同社金製品の粗利益率の向上につながろう
(投資情報部 呉)
小米集団(シャオミ)(香港・01810/Z8852)
◆スマホ出荷台数ベースでは、23年3Qに世界3位(市場シェア14.1%)。スマート家電などIoT(モノのインターネット)も手掛けている
◆23年3Q(7~9月)の売上高は前年同期比0.6%増、純損益は黒字転換。粗利益率は前年同期の16.6%⇒22.7%に上昇し、過去最高を更新
◆23年3Q、スマホの世界出荷量は前年同期比1.1%減少した中、同社の携帯出荷量は同4.0%増加した。8月に華為技術(ファーウェイ)が本格的に市場に復帰したが、同社の新機種「Xiaomi 14」(10月に発売)の販売が好調で、今後も市場シェアを維持できると考える。また、電気自動車(EV)業界に参入し、24年上期に量産を実現する目標
(投資情報部 呉)