7/17~21の中国株式市場は底堅い展開を見込む。
中国市場は少しずつ明かりがさしつつあるようだ。7/6~9のイエレン米財務長官の訪中に際し、李強首相は米中関係を虹に例え、関係改善に期待を示した。アリババ集団(09988)子会社のアントに対する約10億ドルの罰金も発表され、3年弱に及ぶアリババ処分に終止符が打たれたようだ。また、米金利上昇に歯止めがかかりつつあることから人民元安が収束しつつあり、更には中国政府が不動産会社への金融支援策の強化を発表した。このようなことから、ストックコネクト経由の本土市場への外国人投資家の買い注文は減少に歯止めがかかりつつある。
7/17には4~6月GDPと6月主要経済指標の発表が予定される。昨年4~6月に都市封鎖のため景気が下振れたこともあり、今年4~6月のGDP成長率は前年同期比+7%を上回るとみられる。一方、昨年6月は都市封鎖が収束しつつあったため、今年6月の経済指標は前年比効果で前年同月比が鈍化する可能性がある。ただ、6月の新規社会融資総量が大幅に拡大したこともあり、6月の経済指標は相対的に堅調に推移するとみられる。仮に、指標が下振れたとしても、月末に開催が見込まれる党中央政治局会議で景気刺激策が決定されるとの期待が高まっており、株式市場は底堅い展開を予想する。
(7/12記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
比亜迪(BYD)(香港・01211/Z3073、深センA・002594/Z8607)
◆22年の新エネ車販売台数は186万3494台で世界首位
◆23年1~3月期は前年同期比79.8%増収、同410.9%増益。23年の新車販売目標は300万~360万台
◆ラインアップ拡充と海外進出に注力。中国の新エネ車販売TOP10のうち同社製6車種がランクイン(22年)。市場シェアは27.1%と首位を独走している。高級ブランドの「仰望(Yangwang)」と「方程豹」を中心に都市部での販売拡大を目指す。高級車市場の7割を占める「BBA(BMW、ベンツ、アウディ)」の対抗モデルを年内投入予定。また、23年1月に日本市場で初のEV乗用車「アットスリー」を発売し、年内に他2車種も販売開始予定
(上海駐在員事務所 奥山)
江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ)(上海A・600276/Z8425)
◆抗がん剤、手術用品、造影剤、麻酔薬、心血管治療薬、抗生物質などの製造・販売を手がける
◆23年1~3月期は前年同期比0.3%増収、同0.2%増益と小幅ながらプラス成長に転じた。粗利益率は84.35%と22年通期よりもやや改善
◆新薬開発や国際化に注力する方針。23年上半期に同社の新薬3品目が市販許可を取得し、市販可能な新薬は15品目に増えた。研究開発中の新薬も60品目以上あり、うち12品目が第三相臨床試験段階、5品目が市販申請提出済で、24年までに許可される可能性がある。また、集中調達の影響低減等を背景に、23年12月期は3期ぶりに増収増益に転じると予想
(上海駐在員事務所 孫)