4/17~21の中国株式市場は堅調に推移すると見込まれる。
政府は景気下振れを懸念し、景気刺激策を強化しているようだ。インフラ投資は年初から二桁増で、約2/3の地方が今年のインフラ投資を前年比17%増にする計画と報じられた。また、4/11に発表された3月の新規社会融資総量(個人と法人の資金調達の総計)は5.38兆元と、市場予想(4.50兆元、Bloomberg)や2月実績の3.16兆元を上回った。金融当局が金融機関に対し積極的な融資を指示したとみられる。また、同日に発表された3月消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.7%上昇と、今年の政府目標の上昇率である3.0%を大幅に下回ったこともあり、今後、金融当局は利下げを含めた追加の金融緩和を実施しよう。
4/18に発表予定の1~3月GDP成長率は前年同期比+3.8%(昨年10~12月同+2.9%)が見込まれる。また、3月の主要経済指標も発表予定。前述の通り3月の社会融資総量が上振れたこともあり、同月の経済指標は上振れしやすいと考える。注目は小売売上高で、昨年同月に上海等でコロナの感染拡大や都市封鎖により消費が落ち込んだため、今年3月は前年同月比7.0%増(1~2月同3.5%増)と、高い伸びが見込まれる。
経済指標の改善を背景に、個人や企業のセンチメントの改善も期待され、株価は上昇基調を維持しよう。
(4/12記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)(香港・02020/Z4649)
◆スポーツシューズ・ウエア分野の中国市場シェアはナイキを抜きトップ(22年推計)
◆22年12月期の売上高は前年比8.8%増、純利益は同1.7%減。 EC部門が同30.7%増収と全体の伸びを上回り、全売上に占めるネット比率は34.3%(前年は28.6%)まで高まった。22年粗利益率は60.2%で、ライバルの李寧(02331)の48.4%を上回った
◆中国は「全民健身計画」を推進し、25年にスポーツ産業規模を5兆元(19年は約3兆元)に拡大する計画もある。また、高校受験で体育の比重が高まっており、児童・学生市場の中長期的な成長も見込まれる。このため、今後市場拡大による収益の向上に期待
(上海駐在員事務所 奥山)
美高梅中国控股(MGMチャイナ・ホールディングス)(香港・02282/Z8088)
◆カジノや関連ホテルなどの開発、運営を手がける。市場シェア(カジノ収入ベース)は19年の7%⇒22年の11%に上昇し、5位のウィン・マカオ(01128)を抜いた
◆22年通期の売上高は前年比44.0%減、調整済みEBITDAは赤字転落。コロナ禍による営業停止とマカオへの旅客数の減少が主因
◆マカオと本土の往来制限の緩和による旅客数の増加で、マカオのホテル平均稼働率は22年末の43%⇒23年2月の76%に回復。23年1~3月のマカオのカジノ収入は前年同期比95%増と急伸し、23年通期は高い成長率を達成しそう。23年以降のカジノライセンスに基づくカジノテーブル数は前期より36%増。今後市場シェアの拡大に期待
(投資情報部 呉)