4/3~7の中国株式市場は堅調に推移すると見込まれる。
乗用車市場情報聯席会が3/24に発表した3月の新型乗用車販売の実績推計によると、乗用車販売台数は前年同月とほぼ同じ159万台程度と、1~2月の前年同期比19.7%減から持ち直しつつある。特に、新エネ車は3月に同25.8%増と好調が続く。3/28に発表されたBYD(01211、新エネ車販売で世界首位)の22年通期決算は、96%増収、446%増益と、業績が大幅に拡大した。また、通販大手のアリババ(09988)はネット通販、クラウドなど6つの事業グループに再編した持ち株会社に移行すると発表。将来はIPOも視野に入れるようだ。複雑な事業構成が株価上昇を妨げていたことも考えられ、3/28の同社株価は米国で前日比14%上昇。政府の「デジタル中国の建設計画」で恩恵を受けるIT関連銘柄は、このニュースで勢いづくことも考えられる。
3/31に発表予定の3月の購買担当者景気指数(PMI)は、1~2月に製造業、非製造業共に大幅に反発したこともあり、若干下押しが見込まれる。4/3に発表予定の財新の製造業PMIも同様であろう。株価にはマイナスの影響と考える。
香港市場は、利食い売りや欧米の金融問題で欧米株価が下落したこともあり、2月初め以降軟調であった。ただ、その金融問題も一服の兆しがみられることに加え、米金利が低下した。3/28のハンセン指数の予想PERは9.3倍と、14年以降の予想PER下限付近に近付いており、割安感から反発しよう。
(3/29記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
珠海格力電器
(グリー・エレクトリック・アプライアンセズ)(深センA・000651/Z8610)
◆27年連続でエアコン国内販売量1位
◆22年の家電市場が低迷したが、22年1~9月期の売上高は前年同期比6.8%増、純利益は同17.0%増と堅調。オンライン販売を強化したことで、売上高に占める販売費率が前年同期の7.0%⇒5.6%まで縮小。今後収益性の改善に期待
◆政府の支援策を受け、中国の新築住宅販売床面積は22年12月の前年同期比32%減から23年1~2月は同横ばいまで急速に持ち直した。また、主力事業の国内比率が8割(22年中間期)で、海外の景気減速の影響も限定的。このため、住宅市場の回復は23年の家電事業に追い風となろう。予想配当利回りが5%超
(投資情報部 呉)
南京埃斯頓自動化
(エストン・オートメーション)(深センA・002747/ Z9024)
◆産業用ロボットの製造、スマート製造システムなどを手掛ける。中国での産業用ロボットの出荷シェアは21年の7位から22年上半期に5位に上昇
◆22年通期は前年の減益から一転して大幅増益になると予想。コスト調整が奏功し、直近の粗利益率は美的集団(000333)のロボット部門を上回る30%以上を維持
◆少子化・高齢化に伴う労働力不足を背景としたロボット市場の拡大と政策の追い風が同社の業績を後押ししそう。中国はすでに世界最大の産業用ロボット市場だが、24年には22年比32%増の約1兆5000億円規模になる見通し。また、中国政府はロボット密度(製造業の労働者人口1万人当たりの産業用ロボット導入台数)を25年に20年比で倍増させる方針を発表している
(上海駐在員事務所 奥山)