2/27~3/3の中国株式市場は確りの展開か。
2/16に習主席とイランのライシ大統領は、イラン核合意履行を求める共同宣言を発表。気球問題に加え、中国とイランの関係強化で米中の緊張が高まりつつある中、2/18に米中高官会談が実施された。ブリンケン米国務長官と中国外交部門トップの王毅氏がドイツで気球問題等について協議、また、米国は中国がロシアに軍事物資の援助をしないよう警告した。両国の主張は平行線だったが、両国が会談を持ったことに意義があろう。
2/27の週はイベントが目白押し。3/1には2月の購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。1月は非製造業が大幅に改善したが、2月は春節後に製造業の生産回復が見込まれ、PMIの改善が期待される。また、2月末あたりから徐々に22年通期の決算発表が増える。決算発表で投資家はゼロコロナ下の22年業績よりも、足元の事業環境の改善に注目しよう。そして週末、3/5には全国人民代表大会(全人代)が開幕予定。全人代では、今年の成長目標が5%程度に設定され、インフラ投資やデジタル経済の支援策等、具体的な景気刺激策が明らかになるとみられる。昨年、ゼロコロナ政策で景気が大幅減速した後だけに、政府は景気回復に注力すると考える。
米中関係は株価の重石になるとみられるものの、前述イベントが景気回復期待を醸成しよう。本土、香港、両市場とも確りの展開を見込む。
(2/21記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
南京埃斯頓自動化(エストン・オートメーション)(深センA・002747/ Z9024)
◆産業用ロボットの製造、スマート製造システムなどを手掛ける。中国での産業用ロボットの出荷シェアは21年の7位から22年上半期に5位に上昇
◆22年通期は前年の減益から一転して大幅増益になると予想。コスト調整が奏功し、直近の粗利益率は美的集団(000333)のロボット部門を上回る30%以上を維持
◆少子化・高齢化に伴う労働力不足を背景としたロボット市場の拡大と政策の追い風が同社の業績を後押ししそう。中国はすでに世界最大の産業用ロボット市場だが、24年には22年比32%増の約1兆5000億円規模になる見通し。また、中国政府はロボット密度(製造業の労働者人口1万人当たりの産業用ロボット導入台数)を25年に20年比で倍増させる方針を発表している
(上海駐在員事務所 奥山)
国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー)(上海A ・600406/ Z8435)
◆送電で世界最大手の国家電網傘下。送配電網自動化では中国シェア69%以上、変電所自動化及びセキュリティ設備シェアは40%超と中国首位(20年)
◆22年10~12月期は新型コロナ禍などによる製品の出荷減で、通期業績は成長ペースがやや減速と予想
◆中国政府は新エネ発電を推進中。それを支える特高圧の総投資規模は25年までに22年比42%増の5870億元に達する見通し。同社は大容量かつ低ロスが特徴の特高圧に強み。心臓部とされる「コンバータバルブ(交直変換装置)」の市場シェアは40%、電流の「制御保護システム」のシェアは50%以上といずれも中国首位。市場拡大による販売増に期待
(上海駐在員事務所 山藤)