1/23~27の中国本土市場は春節の祝休日で休場。香港市場は1/26~27の2日間のみ通常取引となる。
1/17に発表の10~12月GDP成長率は前年同期比+2.9%と、7~9月の同+3.9%を下回ったものの、Bloomberg市場予想の同+1.6%を大きく上回った。12月に新型コロナの感染が急拡大し、10~12月GDP成長率予想は引き下げが続いたが、感染拡大の影響は予想よりも小幅に留まったようだ。12月の主要経済指標は概ね市場予想を上回り、GDP成長率と相関の高い鉱工業生産は前年同月比1.3%増と、11月実績の同2.2%増から減速したものの、市場予想の同0.1%増を上回った。感染急拡大を受け、小売売上高の外食売上は同14.1%減と、減少幅が11月から拡大したが、薬が同約4割増、食品も同約1割増となり、小売売上高全体では同1.8%減と、市場予想(同9.0%減)や11月実績(同5.9%減)よりも減少幅が小幅に留まった。また、不動産支援策等の寄与で不動産業が改善を見せ、インフラ投資が相対的に高い伸びを維持した。
北京大学は中国国内の新型コロナの感染者数が累計で約9億人(人口の64%)に達したとの研究結果を発表した。春節休暇での人の大移動を介し、今後は地方で感染が拡大する可能性がある。加えて、香港市場は昨年11月以降の急騰もあり、利食い売りに押されやすい状態。1/26~27の香港市場は軟調な展開になると考える。
(1/18記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
安踏体育用品(アンタ・スポーツ・プロダクツ)(香港・02020/ Z4649)
◆21年のスポーツシューズ・ウェア分野の中国市場シェアは16.2%で、ナイキに次ぐ2位
◆22年6月中間期の売上高は前年同期比13.8%増の259億元だったが、純利益は同6.6%減の35億元。都市部での店舗展開が多く、ロックダウンの影響を大きく受けた形。全体の粗利益率は同1.2pt低下の62.0%だったが、李寧(02331)の50.0%を大きく上回る
◆若年層への訴求やデジタル化、マルチブランド戦略の強化などを進め、25年までにシェアトップを目指す。中国では政策的後押しやライフスタイルの変化に伴いスポーツの存在感が拡大中。杭州アジア大会(23年9月開幕)によるスポーツ熱の高まりと販売後押しに期待
(上海駐在員事務所 奥山)
アリババ集団(香港・09988/Z8924)
◆主力のEC事業のほか、クラウド、フィンテック、ネット出前や物流など幅広いサービスを提供
◆7~9月期は前年同期比3%増収、同13%増益(Non-GAAPベース)。純損益は投資先評価損の大幅増などにより赤字転落
◆自社株買いの取得枠を250億米ドルから400億米ドルに増額。香港市場でのプライマリー上場が実現すれば、中国マネーの流入による需給改善が期待できる。傘下のアント・グループは、22年末に金融当局から消費者金融子会社の増資承認を取得。23年1月には主要株主の議決権整理(馬雲氏が実質支配株主から外れた)により企業統治を強化する等、監督当局の基準に基づきIPOの準備を推進
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)