1/16~20の中国株式市場は利食い売りに押される展開を想定する。
1/8には中国国外や香港からの中国本土への入境者に対する隔離措置が撤廃され、ゼロコロナ政策はほぼ撤廃された模様。ゼロコロナ政策の撤廃に伴い、人の移動が活発化したとみられ、主要都市では住民の7~8割が感染し、集団免疫が達成された可能性がある。その後は経済活動の正常化が一段と進んでいるようで、23年1月初めに深センの地下鉄乗客数はコロナ前の19年末を上回った。
大手旅行会社トリップドットコムによると、1/5までの春節(1/21~27)の旅行予約は前年比45%増で、うち遠距離旅行は同7割増と拡大している。都市の消費は確実に拡大しているようだ。ただ、旅行や帰省の増加は地方の感染拡大をもたらし、2月半ばにかけ地方の市民生活が混乱するとみられる。
1/17は10~12月GDPと12月主要経済指標の発表が予定される。12/31発表の12月購買担当者景気指数(PMI)は非製造業を中心に大幅に下振れしたこともあり、12月主要経済指標は感染拡大を受け、大幅に悪化すると考える。10~12月GDP成長率も下振れしよう。上海総合指数は12/30から6日間連続で上昇し、ハンセン指数は直近の底値(14,597、22/10/31)から1/10までに46%上昇した。1/16からの週は1/21からの春節の長期祝休日を控え、利食い売りが出やすいタイミングと考える。
(1/11記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
百度集団(バイドゥ)(香港・09888/Z9041)
◆中国のネット検索最大手。クラウドや自動運転なども手掛ける。自動運転の特許出願件数では世界最多。オンライン旅行大手、携程集団(09961)の大株主
◆22年7~9月期は前年同期比2%増収、同16%増益(Non-GAAP)と収益性が大きく改善。クラウドや自動運転などその他事業は同25%増収と好調。連結子会社の愛奇芸(アイチーイー)は同2%減収となったが、営業損益では黒字転換
◆レベル4技術に基づく自動駐車と自動運転ソリューションは、複数の自動車メーカーの量産車に搭載。重慶と武漢で中国初となる完全無人運転タクシーの商業化サービスを展開。傘下の集度汽車初の量産EVが23年に納車予定
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
上海国際機場(シャンハイ・インターナショナル・エアポート)(上海A:600009/Z8401)
◆上海市の浦東と虹橋の両国際空港を運営。21年利用客数は虹橋が3320万人(中国第5位)、浦東が3220万人(同8位)。合算すると中国首位(シェア7.2%)
◆22年6月中間期は前年同期比35.4%減収、同赤字拡大。新型コロナ感染拡大で航空需要減退が重し。同12月期も最終損失計上見通し。23年は中国のリオープン(経済再開)に伴い4期ぶりの黒転となりそう
◆中国の22年航空旅客数は2億5000万人余りも、23年は旅行ニーズ増を背景に21年の4億3908万人程度まで戻すと見られる。免税店収入にも期待。国際線利用客数が回復すれば歩合収入が増えやすい契約が有利に働きそう
(上海駐在員事務所 奥山)