15日の香港株式市場は大幅に3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比1116.58pt(5.71%)安の18,415.08ptと約6年1カ月ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスの感染再拡大による中国本土や香港域内での経済の先行き不安を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まった。ウクライナ情勢や米中対立の激化への懸念も相場の重荷となった。午後に売りが一段と膨らみ、指数は下げ幅を広げた。前日の米ハイテク株安を受け、香港市場でもハイテク株の売りが目立った。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も3日続落し同8.10%安と、2020年7月の指数算出以来の安値を連日で更新した。香港メーンボードの売買代金は2861億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで93億8500万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比599ドル10セント(1.8%)高の33,544ドル34セントで終えた。原油先物相場が連日で大幅に下落し、インフレ懸念が和らいだ。消費関連株や、足元で下げがきつかったハイテク株など幅広い銘柄が買われた。前日まで長期金利の上昇を警戒して売られていたハイテク株が買い直された。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、同367.401pt(2.9%)高の12,948.621ptで終えた。
本日の香港株式市場は買い先行か。新型コロナウイルスの感染拡大や地政学リスクを警戒した売りが連日膨らんだため、買い戻しで反発しよう。
(マーケット支援部 床井)
短期筋の買い戻しが入ろう
15日の中国・上海株式市場は大幅に続落した。上海総合指数の終値は前日比159.5676pt(4.95%)安の3,063.9652ptと2020年7月以来およそ1年8カ月ぶりの安値を付けた。下落率は中国本土で新型コロナウイルスの感染が広がった20年2月以来の大きさだった。コロナ感染の再拡大による中国の景気減速懸念やウクライナ情勢などの地政学リスクに対する警戒感から海外勢の資金が流出した。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1242億元と、節目の1兆元を上回った。香港から中国本土に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで160億2500万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は反発か。不透明感続くも連日の急落を受け、短期筋の買い戻しが入ろう。ただ、長期投資家は様子見の可能性が高く、振れの大きい相場展開となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)