8日の香港株式市場は3日続落した。ハンセン指数の終値は前日比291.76pt(1.38%)安の20,765.87ptだった。2016年7月以来およそ5年8カ月ぶりの安値を付けた。ウクライナ情勢や資源高に対する警戒感から、リスク回避の売りが優勢となった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は同3.21%安の4,382.32ptで終えた。20年7月の指数算出・公表開始以来の安値を連日で更新した。電気自動車(EV)関連株が大幅安となった。香港メーンボードの売買代金は1707億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億8400万香港ドルの買い越しだった。
8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比184ドル74セント(0.6%)安の32,632ドル64セントと昨年3月以来、1年ぶりの安値で終えた。バイデン米大統領が8日、ロシアからの石油や天然ガスの輸入を禁止すると発表した。エネルギー需給が逼迫し、インフレが米景気を冷やすとの懸念が強まった。対ロ経済制裁がらみの悪材料がひとまず出尽くしたとみて大きく上げる場面もあり、不安定な値動きだった。原油の米指標油種のWTI先物の期近物は一時1バレル129.44ドルと8%あまり上昇した。米ガソリン価格が14年ぶりに史上最高値を更新し、消費への影響が懸念されたのも相場の重荷だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、同35.411pt(0.3%)安の12,795.551ptと昨年3月以来の安値で終えた。
本日の香港株式市場は一進一退の展開か。ハンセンテック指数が連日安値を更新しているだけに、自律反発狙いの買いが支えとなりそうだ。ただ、ロシアとウクライナの戦闘が長期化する不安やインフレへの警戒感が根強く、不安定な相場相場展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
自律反発狙いの買いが下値を支えよう
8日の中国・上海株式市場は5日続落した。上海総合指数の終値は前日比79.3251pt(2.35%)安の3,293.5301ptだった。心理的節目の3,300ptを下回り、2020年11月以来およそ1年4カ月ぶりの安値を付けた。ウクライナ情勢や資源高に対する警戒感から、投資家のリスク回避姿勢が強まった。海外資金の流出懸念も相場の重荷となった。銀行や保険などの金融株が総じて安く、自動車や非鉄金属、石炭、海運株の下げも目立った。医薬や畜産関連、鉄鋼、セメント、家電、電力株が下落するなど、幅広いセクターで売りが優勢となった。反面、中国本土株市場で時価総額最大の白酒の貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)が買われた。観光関連や半導体関連株の一角も堅調だった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1099億元と、節目の1兆元を4日連続で上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで86億9900万元の売り越しだった。個別では、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は一進一退か。資源価格の高騰が続き、インフレ加速が懸念され、消費セクターを中心に売りが出そうだ。一方、上海株式市場は5日続落しており、自律反発を狙った買いが下値を支えそうだ。
(マーケット支援部 床井)