4日の香港株式市場は小幅に反発した。ハンセン指数の終値は前日比15.09pt(0.06%)高の23,289.84ptだった。中国本土の不動産株の上昇が目立ち、相場をけん引した。4日午後から取引を再開した不動産大手の中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ、03333)は同1.3%高で終えた。英HSBC(00005)などの金融株が総じて堅調だった。空運やマカオカジノ株も高かった。12月の販売実績を発表した電気自動車(EV)の比亜迪(BYD、01211)が上昇した。一方で中国の大手ネット銘柄が売られ、ハンセン指数は下げに転じる場面もあった。中国国家インターネット情報弁公室などは4日、データ利用や海外上場に関して安全保障を理由にネット大手への規制を強化する法案を改定し、2月15日から施行すると発表した。当局の規制強化懸念がくすぶり、動画配信のBilibili(ビリビリ、09626)や快手科技(クアイショウ、01024)、ゲームの網易(ネットイース、09999)が下落した。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は続落し、同1.03%安で終えた。香港メーンボードの売買代金は1183億香港ドルと、7営業日ぶりに節目の1000億香港ドルを上回った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億7500万香港ドルの売り越しだった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比214ドル59セント(0.6%)高の36,799ドル65セントで終えた。連日で過去最高値を更新した。新型コロナウイルスの感染が拡大しても米経済の回復は続くとの期待から、景気敏感株を中心に買われた。一方、長期金利の上昇を受け、相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株は売られ、業種別の明暗が鮮明だった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同210.080pt(1.3%)安の15,622.719ptで終えた。
本日の香港株式市場は一進一退の展開が続きそうだ。ネット大手への規制を強化する法案「サイバーセキュリティ―審査弁法」の公布が相場の重荷となろう。一方、ディフェンシブ銘柄に買いが入り、下値を支えよう。
(マーケット支援部 床井)
上値の重い展開か
4日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前営業日比7.4465pt(0.20%)安の3,632.3289ptだった。朝方は買いが先行したが、中国のネット規制当局がネット大手に対してデータ利用や海外上場への規制強化の法案を改定すると伝わり、次第にリスク回避の売りが優勢となった。取引開始後に中国メディアの財新などが発表した2021年12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9と前月から1.0pt上昇した。政府発表のPMIとともに前月から上昇したが、相場の反応は限られた。希土類(レアアース)関連や化学、バッテリー関連株が安い。電力や観光関連株が売られた。反面、運輸やメディア、農業株が高い。不動産や家電関連株が買われた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆2663億元となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで4億6000万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中遠海運HD(コスコ・シッピング、601919)、牧原食品(ムーユエン・フーズ、002714)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は上値の重い展開も個別に材料が出ている銘柄の動きに注目したい。中国の医薬品管理当局が2021年12月31日、中医薬と中医療サービスを保険適用に含める方針を発表した。関連株には販売増加を期待する買いが入り、上場来高値を更新した銘柄も見られた。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が全体相場の上値を抑える要因になるも、手掛かり材料がある個別銘柄の動きは活発化しそうだ。
(マーケット支援部 床井)