15日の香港株式市場でハンセン指数は4日続落した。終値は前日比215.19pt(0.91%)安の23,420.76ptと、6日に付けた年初来安値(23,349.38pt)に接近した。米国が中国のドローンメーカーやバイオ企業などに制裁対象を広げる見通しと伝わり、米中対立懸念が強まった。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見気分も強まり、ハンセン指数は午後に下げに転じた。中国バイオの薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス、02269)が同19%安となるなど中国の医薬品株が午後に急落した。午前発表の中国の11月の主要経済指標の多くで前月から伸びが鈍化したのも地合いを冷やした。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は4日続落し、同1.51%安の5,795.44ptと安値に近づいた。中国スマートフォンの小米(シャオミ、01810)が連日で年初来安値を更新した。反面、米長期金利の上昇が預貸利ざやの改善期待を誘い、金融株の一部は堅調だった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1277億香港ドルと前日(1199億香港ドル)からやや増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで34億7600万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比383ドル25セント(1.1%)高の35,927ドル43セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)は15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)加速を決め、来年の利上げ回数を従来の1回から3回に増やすとの予想を示した。ほぼ市場の想定内の結果と受け止められ、FOMCを通過した安心感から買いが優勢となった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も3営業日ぶりに反発し、同327.943pt(2.2%)高の15,565.583ptで終えた。
本日の香港株式市場は続落か。米商務省が中国バイオ企業など20社超を「エンティティ―・リスト」に追加する方針であることや半導体大手により厳しい制裁措置を検討していることなどが報じられている。米中関係の悪化懸念が売りを誘いそうだ。ただ、ハンセン指数は年初来安値圏に接近しており、値ごろ感に着目した買いが入り、下げ渋る場面もありそうだ。
(マーケット支援部 床井)
軟調な値動きか
15日の中国・上海株式市場は続落した。上海総合指数の終値は前日比13.8950pt(0.37%)安の3,647.6303ptだった。中国国家統計局が発表した11月の経済指標で、小売売上高の前年比伸び率が低下し市場予想も下回った。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への悪影響を懸念する売りが出て、指数は午後に下げ幅を拡大した。米国が中国のドローンメーカーやバイオ企業などに制裁対象を広げる見通しと伝わり、米中対立への警戒感も意識された。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1360億元。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億5200万元の買い越しだった。個別では、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム、600690)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は続落か。米政府が制裁措置の強化を検討していることが嫌気され、軟調な値動きが続きそうだ。
(マーケット支援部 床井)