14日の香港株式市場でハンセン指数は3日続落した。終値は前日比318.63pt(1.33%)安の23,635.95ptと、6日に付けた年初来安値(23,349pt)に接近した。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の世界での感染拡大を警戒し、朝方から売りが優勢だった。14日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)や、15日の中国の11月主要統計発表を前に様子見気分も強まり、ハンセン指数は午後に下げ幅を広げた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も3日続落し、終値は同2.28%安の5,884.82ptと、下落率はハンセン指数よりも大きかった。中国当局によるネット株への規制強化懸念が再燃した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで16億9900万香港ドルの買い越しだった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1199億香港ドルと前日(1296億香港ドル)からやや減った。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比106ドル77セント(0.3%)安の35,544ドル18セントで終えた。11月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率が市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ前倒し観測が広がり、ハイテク株を中心に売りを促した。FOMCの結果発表を15日に控え、押し目買いの動きも限られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、前日比175.642pt(1.1%)安の15,237.640ptで終えた。主力株が軒並み下げた。
本日の香港株式市場は続落か。米国での利上げ観測から前日の米株式市場で主要株価指数が下落したことを受け、売り優勢となりそうだ。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、次第に様子見姿勢が強まる可能性もあろう。ハンセン指数は年初来安値近辺にあり、下値は限定的とみられる。
(マーケット支援部 床井)
各種統計発表を控え、神経質な展開か
14日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比19.5567pt(0.53%)安の3,661.5253ptと、約1週間ぶりの安値を付けた。中国本土で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の初感染者が確認されたことを背景に感染拡大への警戒が再び意識され、朝方から景気敏感株を中心に売りが優勢となった。15日に小売売上高など11月の主要経済指標の発表を控え、結果を見極めたいとの様子見ムードも広がった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆1411億元となった。香港から中国本土に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで60億2600万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は神経質な展開か。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への懸念に加え、FOMCや11月の中国工業生産高、小売売上高など各種統計の発表を控えている。結果を見極めたい投資家は積極的な売買を手控えるとみられる。
(マーケット支援部 床井)