13日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前週末比41.14pt(0.17%)安の23,954.58ptだった。前週末の米株高や中国当局の景気支援策への期待を受けて買いが先行し、上昇率は一時1.6%を超えた。ただ、前引け後に中国の画像認識システムの商湯集団(センスタイム)が香港市場への新規株式公開(IPO)の延期を発表すると、地合いが悪化。米中対立の影響が懸念され、リスク回避目的の売りに押された。香港メーンボードの売買代金は1296億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで33億2800万香港ドルの買い越しだった。
13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比320ドル04セント(0.9%)安の35,650ドル95セントで終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感から景気敏感株を中心に売りが優勢だった。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、過去最高値圏で推移する米株には利益確定売りも出やすかった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前週末比217.319pt(1.4%)安の15,413.282ptで終えた。
14日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。「オミクロン型」の感染拡大や米中関係の先行き不透明感の高まりから、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)
上値の重い展開か
13日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比14.7341pt(0.40%)高の3,681.0820ptだった。中国の共産党指導部は6日の中央政治局会議に続き、8~10日に開いた2022年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」でも国内景気の減速に配慮する姿勢を示した。投資家心理が改善し、政策の恩恵を期待できる銘柄が買われた。もっとも心理的節目の3,700ptを上回る場面では短期的な利益確定目的の売りも出た。香港とのストックコネクトを通じた海外勢の買いも午後に入って伸び悩んだ。電力や石炭、セメント株が高く、ゲーム株の上げも目立った。ソフトウエアや家電株が上昇した。半面、銀行や不動産株が軟調。空運や海運株も売られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで53億6500万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
14日の中国本土市場は上値の重い展開か。当局からの景気対策への期待感から買いが先行しそうだが、天津市で中国本土初の「オミクロン型」感染者が確認されたことから、コロナ感染拡大が懸念され、市場全体の重荷になりそうだ。
(マーケット支援部 林)