24日の香港株式市場でハンセン指数は6営業日ぶりに小幅に反発した。終値は前日比33.92pt(0.13%)高の24,685.50ptだった。指数が前日までの5営業日間で累計4%超下げており、値ごろ感に注目した買いが優勢となった。米長期金利の上昇による利ざや改善期待で英金融HSBC(00005)や保険大手のAIA(01299)に買いが入った。香港の不動産株や公益株も高い。中国の医薬品株や資源株も上昇した。 一方、23日の米国市場でのハイテク株安で、ハイテク銘柄はさえず、香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は同0.49%安の6292.16ptと6日続落した。香港のメーンボードの売買代金は1373億香港ドルと約3週間ぶりの高水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで19億9900万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反落し、前日比9ドル42セント安の35,804ドル38セントで終えた。感謝祭の祝日を25日に控えて積極的な取引が見送られるなか、長期金利の上昇一服で金融株が売られて相場の重荷となった。ただ、米景気の回復期待から景気敏感株の一角には買いが入り、ダウ平均は方向感に乏しかった。朝方は長期金利上昇を嫌気して売られていたハイテク株は、金利低下に伴って午後に買い直され、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比70.088pt(0.4%)高の15,845.226ptで終えた。
25日の香港株式市場でハンセン指数は小幅続伸を想定。前日の米株式市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が反発した。米長期金利の上昇がいったん落ち着いており、香港市場でも前日に下げが目立ったネット関連株などを買い戻す動きが優勢になりそうだ。一方で、米中対立への警戒は上値抑制要因か。米商務省は24日、米国の技術を使って量子コンピューターの軍事利用に関わったとして中国企業8社に事実上の禁輸措置を課すと発表した。中国人民解放軍の能力向上を食いとめるため、ハイテク企業への制裁を広げるとしている。これまでの経緯から想定される動きではあるものの、警戒材料として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
政策期待が支えも上値追いは限定的か
24日の中国・上海株式市場は4日続伸した。上海総合指数の終値は前日比3.6131pt(0.10%)高の3592.7025ptだった。中国政府による中小企業向け支援策への期待が続き、原油など商品先物相場の上昇も支えになった。指数が心理的節目の3,600ptを上回る場面では短期的な利益確定の売りも出て伸び悩んだ。酒造株が総じて高かったほか、本土の商品市場で原油や石炭などの先物が上昇し、石油関連や石炭株の買いに波及した。中国の一部都市で不動産規制が緩和されると伝わり、不動産株が軒並み上昇した。 半面、自動車やバッテリーなどの新エネルギー関連株が安く、軍需関連や金鉱、港湾株が下落した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで23億6900万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、歌爾(ゴーテック、002241)などが売り越しとなった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆2023億元と、24日連続で節目の1兆元を上回った。
25日の中国本土市場はもみ合いか。政策への期待が引き続き支えとなりそうだが、米中対立につながる報道も出ており、上値追いの動きは限定的となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)