26日の香港株式市場は3営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比93.76pt(0.35%)安の26,038.27ptだった。中国政府による不動産税(固定資産税に相当)の試験導入決定に対する投資家の懸念は根強く、本土不動産株が引き続き売られて指数を押し下げた。もっとも心理的節目の26,000ptを下回る場面では押し目買いも入り、下げ渋った。決算シーズンとあって、中国景気の減速の影響を見極めたいという投資家の様子見姿勢は強かった。香港メーンボードの売買代金は1139億香港ドルと前日から2%ほど増えたが、商いは低調だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで20億3900万香港ドルの売り越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比15ドル73セント(0.04%)高の35,756ドル88セントで終えた。市場予想を上回る米主要企業の2021年7~9月期決算が相次ぎ、好感した買いが入った。良好な米経済指標が発表されたのも株式相場を支えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同9.009pt(0.1%)高の15,235.715ptで終えた。一時は15,384.000ptまで上げ、9月7日に付けた過去最高値(15,374.328pt)を上回った。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も続伸し、同8.31pt(0.2%)高の4,574.79ptと過去最高値で終えた。
本日の香港株式市場は一進一退か。前日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、買い先行で始まろう。ただ、一段の上値を追う材料に乏しい中、反発した後は利益確定の売りも出やすそうだ。
(マーケット支援部 床井)
関心は引き続き新エネルギー関連株か
26日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比12.2249pt(0.33%)安の3,597.6377ptと、心理的な節目の3,600ptを再び割り込んだ。中国当局の新エネルギー関連産業への支援策に対する期待から買いが先行したが、短期的な過熱感が意識され、次第に利益確定売りが優勢となった。金融や医薬関連、食品、酒造株が安く、資源や素材、バッテリー関連、不動産株も売られた。反面、希土類(レアアース)関連や電子部品、電力株は買われた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆823億元と前日(1兆147億元)から7%増えた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで8億4500万元の買い越しだった。個別では、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、国軒高科(ゴーション・ハイテック、002074)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場はもみあいか。前日の米株式市場で主要指数が上昇したことが投資家心理の支えとなりそうだ。不動産市場の冷え込みへの警戒感が残る中、中国当局の政策支援が期待される新エネルギー関連株に引き続き注目が集まろう。
(マーケット支援部 床井)