25日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前週末比5.10pt(0.01%)高の26,132.03ptだった。前週末の米ハイテク株が下落した流れを引き継ぎ、朝方は軟調だった。反面、中国で再生可能エネルギーの推進目標が打ち出されたことを手がかりに新エネルギー関連株が買われ、指数を上向かせた。 新規手がかりに乏しく、売買一巡後は次第に膠着感が強まった。午後の取引で指数は前週末の終値近辺での推移が目立った。チェーン展開する食品事業者への安全監督強化の方針を受けて、火鍋店運営の海底撈国際控股(06862)や、外食チェーンの九毛九国際控股(09922)が急落。中国政府が一部の都市で固定資産税にあたる不動産税の試験導入を決めたことを受け、碧桂園控股(02007)など中国不動産株も売られた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.14%安だった。メインボードの売買代金は概算で1112億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで32億1000万香港ドルの買い越しだった。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比64ドル13セント(0.2%)高の35,741ドル15セントと連日で過去最高値を更新した。市場予想を上回る米主要企業の決算が続くとの期待が投資家心理を支えた。短期的な過熱感から利益確定売りも出たため、上値は重かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比136.506pt(0.9%)高の15,226.706ptで終えた。
26日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。前日の米国株式市場が上昇したことが好感され、指数を押し上げる動きとなろう。電気自動車のテスラ(TSLA)が13%上昇し、時価総額が初めて1兆ドルを上回ったことにより、中国の電気自動車銘柄にも注目度が集まろう。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
25日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前週末比27.2590pt(0.76%)高の3,609.8626ptと、9月24日以来約1カ月ぶりの高値を回復した。中国政府の非化石燃料の比率拡大方針を受け、新エネルギー関連に買いが入った。関連銘柄が多い深セン株が大きく上げたことで上海市場でも地合いが改善し、上海総合指数は午後に上げ幅を拡大。この日の高値圏で引けた。反面、中国国内での新型コロナウイルスの感染拡大懸念は重荷となった。運輸株や食品株の一部が売られた。一部都市での固定資産税の試験導入の決定を受け、不動産株も安かった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで8億9500万元の買い越しだった。個別では、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)が買い越しとなり、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)などが売り越しとなった。
26日の中国本土市場はもみ合いか。不動産税導入など、政策による先行き不透明感が強まっているが、決算発表が今週から本格化するため、企業決算を好感した買いが株価の下支えとなろう。
(マーケット支援部 林)