21日の香港株式市場は5営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比118.49pt(0.45%)安の26,017.53ptだった。小高く始まったが、米長期金利の上昇や不動産大手の中国恒大集団(03333)の経営不安などを背景に、幅広い銘柄で売りが優勢となった。一時は心理的な節目の26,000ptを下回った。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も5営業日ぶりに反落し、同0.82%安だった。21日に売買を再開した中国恒大集団が同13%安、傘下の恒大物業集団(06666)が同8%安で終えた。中国平安保険(02318)は傘下の平安銀行(000001)の好業績を受けて上昇した。メインボードの売買代金は概算で1479億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億8400万香港ドルの買い越しだった。
21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日ぶりに反落し、前日比6ドル26セント安の35,603ドル08セントで終えた。米債券市場で長期金利は一時1.68%と5月以来の水準に上昇したが、株式相場の反応は限られた。米原油先物相場は下落し、原油高がインフレ懸念を招いていただけに、投資家心理の改善につながった面もあった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比94.022pt(0.6%)高の15,215.700ptで終えた。
22日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。中国恒大集団を巡る不透明感や米債券市場で長期金利が上昇し続けていることにより、利益確定売りが出やすそうだ。全体相場が動きづらい中、材料の出た個別銘柄を選別物色する動きが中心となろう。
(マーケット支援部 林)
方向感を欠く展開か
21日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比7.7822pt(0.21%)高の3,594.7831ptだった。国際商品相場の上昇を受けて時価総額の大きな資源・素材株に買いが入った。金融株や不動産株など他の大型株も買われ、指数を支えた。ただ、指数が心理的な節目の3,600ptを上回る場面では利益確定売りが出やすく、指数は小幅安に転じる場面もあった。反面、ハイテク株や中小型銘柄はさえなかった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9929億元と、前日(1兆201億元)から減少し、節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで101億5400万元の買い越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)が買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・ファーマシューティカルズ、600276)などが売り越しとなった。
22日の中国本土市場は方向感を欠く展開か。決算発表が来週から本格化するため、様子見ムードが広がりそうだ。一方、米国の事実上の禁輸リストに指定されている華為技術(ファーウェイ)と半導体メーカーの中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)は輸出許可申請のそれぞれ69%、90%に輸出許可を取得していたと報じられた。関連セクターが注目を集めよう。
(マーケット支援部 林)