20日の香港株式市場は4日続伸した。ハンセン指数の終値は前日比348.81pt(1.35%)高の26,136.02ptだった。9月10日以来の高値を付け、節目の26,000ptを回復した。前日の米株高を受け、香港市場にも買いが波及した。アリババ集団(09988)などの中国大手ネット株が総じて上昇し、指数をけん引した。一方、当局による石炭価格への介入方針を受け、石炭株が急落。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も大幅に4日続伸し、同2.64%高となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで39億1500万香港ドルの買い越しだった。香港メーンボードの売買代金は1565億香港ドルと、前日から3割ほど増えた。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比152ドル03セント(0.4%)高の35,609ドル34セントで終えた。市場予想を上回る米主要企業の決算発表が続いているうえ、暗号資産(仮想通貨)のビットコインの最高値更新を受けて投資家心理が強気に傾いた。ただ、米長期金利が上昇する中でハイテク株が売りに押され、相場はやや伸び悩んだ。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、同7.412pt安の15,121.678ptで終えた。
本日の香港株式市場は戻りを試す展開が予想される。ネット企業への締め付け懸念が後退したことでリスクを取りやすくなった投資家によるネット株の買いが継続しそうだ。企業価値を踏まえれば魅力的な株価水準となっている銘柄が多く、物色の矛先となろう。
(マーケット支援部 床井)
好悪材料入り混じる中、方向感の乏しい展開か
20日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比6.1524pt(0.17%)安の3,587.0009ptだった。前日に約3週間ぶりの高値を付けたことが意識され、持ち高調整や利益確定の売りが出た。一方、中国人民銀行(中央銀行)が20日に短期金融市場への資金供給額を増やし、中国当局の景気テコ入れ策への期待が改めて高まった。指数は前日比で小幅高に転じる場面もあった。中国人民銀が発表した最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)は据え置きで、相場の反応は限られた。
銀行、保険など金融株が安く、中国当局の価格介入方針を受けて石炭株が大幅に下げるなど資源関連株が軟調。電機や医薬、海運株の下落も目立った。一方、時価総額の大きい酒造が買われ相場を支えた。石炭価格の統制が採算改善につながるとの期待から電力株が上昇。自動車株も上げた。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆201億元と、前日から小幅に増え、節目の1兆元を2営業日ぶりに上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで40億7900万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、万華化学集団(ワンファ・ケミカル、600309)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが買い越しとなった。
本日の中国本土株式市場は方向感の乏しい展開か。中国当局が高騰する石炭価格への介入方針措置を検討していると発表したを受け、採算改善につながる電力株が物色されよう。一方で、経営危機に陥った中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ、03333)は20日、傘下の不動産管理会社の株式を売却する話し合いが成立しなかったと発表した。株式売却による資金調達を模索しているが、調達の道が一つ絶たれたことで厳しい状況が続きそうだ。好悪材料入り混じる中、方向感の乏しい展開となろう。
(マーケット支援部 床井)