19日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸。終値は前日比377.46pt(1.48%)高の25,787.21ptと、9月13日以来約1カ月ぶりの高値を回復した。香港時間19日の取引で米長期金利の上昇が一服し、香港市場でもハイテク株を中心とした成長(グロース)株に買いが入った。米株価指数先物が上昇したことも買い安心感を誘った。ハンセン指数を構成する60銘柄のうち、8割に当たる48銘柄が上昇。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は大幅高となり、同3.07%高の6,518.59ptで終えた。香港のメーンボードの売買代金は1205億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで5億8400万香港ドルの売り越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比198ドル70セント(0.6%)高の35,457ドル31セントで終えた。2021年7~9月期の決算発表が本格化するなか、好業績銘柄を中心に買いが集まった。ダウ平均はほぼこの日の高値で終え、過去最高値(35,625ドル)を付けた8月16日以来の水準に浮上した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比107.281pt(0.7%)高の15,129.090ptで終え、約1カ月ぶりの高値を付けた。
20日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が過去最高値目前となるなど主要3指数がそろって上昇し、香港市場でも買い安心感につながりそうだ。米国では長期金利が上昇する中、ハイテク株が堅調な動きとなっており、香港市場のハイテク株も追随できるか注目したい。ハンセン指数は26,000ptを意識した動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
電力不足に対する当局の対応姿勢が安心感につながろう
19日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比25.0154pt(0.70%)高の3,593.1533ptだった。朝方は景気減速を警戒して小安く始まったが、中国当局の景気政策への期待を支えに切り返し、次第に上げ幅を拡大した。豚肉価格の上昇を背景に豚肉関連株が軒並み高。中国本土と香港の間で金融商品を相互取引する「理財通(ウェルス・マネジメント・コネクト)」の開通により、金融株の一角が高く、酒造や食品、医薬関連株が堅調。電子部品や化学株も買われた。半面、自動車やバッテリー関連、空運株が安く、不動産や石油、石炭株が売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9733億元と前日(1兆22億元)から小幅に減り、再び節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで39億600万元の買い越し。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)が買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
20日の中国本土市場は堅調な展開か。中国当局が急上昇している石炭価格への介入措置について検討しているとBloombergが報じており、電力不足に対する当局の対応姿勢が安心感につながろう。第3四半期決算を発表した銘柄中心に好業績銘柄を物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)