18日の香港株式市場は続伸した。ハンセン指数の終値は前週末比78.79pt(0.31%)高の25,409.75ptと約1カ月ぶりの高値だった。前週末の米株高を受け上昇して始まった。一時は持ち高調整の売りに押されたが、中国当局の景気対策への期待などを支えに、大引け間際に切り返した。同日発表の中国の2021年7~9月期の国内総生産(GDP)など主要経済指標は総じてさえない内容だったが、中国景気の減速は織り込み済みとの受け止めが多く、改めて売り材料視する向きは限られた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同0.08%高だった。メインボードの売買代金は概算で1269億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億200万香港ドルの買い越しだった。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落し、前週末比36ドル15セント(0.1%)安の35,258ドル61セントで終えた。18日発表の中国の7~9月期の実質国内総生産(GDP)が市場予想に届かず、嫌気した売りが先行した。ただ、今週から本格化する米主要企業の決算発表を期待した買いが入り、売り一巡後はダウ平均は下げ幅を縮めた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比124.469pt(0.8%)高の15,021.809ptと、9月24日以来となる15,000pt台に乗せて終えた。
19日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。経済対策への期待感から買いが入ると予想されるものの、中国景気の先行き不透明感はまだ強いと思われ、上値は限定的となりそうだ。
(マーケット支援部 林)
一進一退か
18日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前週末比4.2283pt(0.11%)安の3,568.1379ptだった。18日発表の中国の主要な経済統計で、電力不足や資源高を受けた景気減速が一段と鮮明になると見込んだ海外勢による中国本土株売りが朝方から膨らんだ。ただ統計の発表後は徐々に下げ渋った。7~9月期の国内総生産(GDP)や9月の工業生産は市場予想を下回った。一方で、9月の小売売上高は予想を上回った。保険や観光関連、家電株が安く、医薬や不動産、半導体関連株が軟調だった。反面、石炭や非鉄金属、海運株が高く、電力や新エネルギー関連、石油関連株が上昇した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで80億1800万元の売り越しだった。個別では、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)、美的集団(ミデア・グループ、000333)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)が買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
19日の中国本土市場は一進一退か。当局は電力不足問題の緩和に向けて対策を講じているが、石炭価格は上昇し続けており、解消までまだ時間かかりそうだ。不動産業者のデフォルト問題による不透明感もまだ払拭せず、経済成長に影響を及ぼそう。また、景気減速懸念が高まり、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)