今週の中国株式市場は徐々に底堅さを増す展開か。
18日に中国7~9月期GDP成長率など主要経済指標の発表が予定されている。GDP成長率の市場予想は5.0%と、4~6月期の7.9%から減速が見込まれている。背景には恒大集団(03333)の経営問題、中国政府による厳格な新型コロナ対策、電力不足問題などがある模様。恒大問題については19日に元建て社債、週末に9月に延期された外貨建て社債の利払い期日を控えている。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は17日、中国恒大集団の問題が同国経済や金融システムに及ぼすリスクを当局は封じ込めることができると述べたと伝わっており、仮に恒大集団がデフォルトに陥ったとしても、その影響は限定的に留まるといった見方が優勢になりそうだ。足もと中国では、新型コロナの沈静化に加え、政府による電気料金の引き上げ容認や石炭の増産・輸入拡大等による電力不足解消に向けた動きが伝わっている。経済指標発表後に中国景気の下振れリスクは徐々に後退しつつあるといった見方が広まる流れに期待したい。
18日から香港取引所が中国本土A株指数の先物取引を開始する予定。第1弾となるのは、ストックコネクト取引の対象となっている本土上場50銘柄で構成される「中国A50コネクト・インデックス(MSCI算出)」の先物で、初めて香港でA株のデリバティブ(金融派生商品)取引が行われることとなる。中国A株の取引活性化への期待が高まりそうだ。
決算発表では、恒大問題もあり、不動産大手の決算に内外投資家の注目が集まりそうだ。10/18に金地集団(600383)、10/19に中国海外発展(00688)が決算発表を予定している。
(マーケット支援部 井上)
今週の主なスケジュール
18日
7~9月期GDP(前年比)
9月小売売上高(前年比)
9月鉱工業生産(前年比)
9月固定資産投資(除農村部/年初来/前年比)
9月不動産投資(年初来、前年比)
主な決算発表予定
18日
金地集団(600383)
19日
中国海外発展(00688)
万華化学集団(600309)
牧原食品(002714)
20日
江蘇恒瑞医薬(600276)
杭州老板電器(002508)
23日
上海国際機場(600009)