6日の香港株式市場でハンセン指数は反落した。終値は前日比137.66pt(0.57%)安の23,966.49ptと、心理的な節目の24,000ptを割り込んだ。2020年10月5日以来、1年ぶりの安値となる。アジア時間6日の取引時間中に米長期金利が一段と上昇し、相対的に投資妙味が薄れるとの受け止めからハイテク株に売りが出た。中国恒大集団など、中国の不動産企業の債務問題への警戒も続いた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は5日続落した。終値は同1.49%安の5,866.15ptと、20年7月の指数公表開始以降の最安値を更新した。中国本土企業株で構成するハンセン中国本土株指数の終値も同1.20%安の8412.72ptと、16年6月以来の安値に沈んだ。半面、1年に1度の香港行政長官による施政方針演説で住宅開発を進める方針が示されたことを手がかりに、香港の不動産株の一部が買われた。金利上昇が買い材料となる英金融HSBC(00005)は大幅高だった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1039億香港ドルと、前日(997億香港ドル)からやや増えた。ストックコネクトを通じた本土投資家による香港株売買(ストックコネクト・サウスバウンド取引)は、国慶節(建国記念日)の連休に伴い休止だった。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比102ドル32セント(0.3%)高の34,416ドル99セントで終えた。野党の共和党上院が連邦政府の債務上限の一時停止を提案したと伝わり、投資家心理が改善した。このところ市場の懸念材料だった原油高が一服し、インフレ加速への警戒感が薄れたことも株式相場を支えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、前日比68.081pt(0.5%)高の14,501.911ptで終えた。
本日の香港株式市場は、買い先行後方向感の乏しい展開か。米長期金利の低下を受けてハイテク株はいったん下げ止まりそうなことに加え、押し目狙いの買いも期待されよう。ただ、中国経済の不透明感は強く、上値追いの動きも限定的となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)